「室町半熟かすてら」の旬風が、「かすてらフレンチトースト」なる代物を売っているのを友人が見かけ、買ってきてくれた。厳密には、エキュート東京内限定のオリジナルブランド「Hana SYUMPOO」商品であり、旬風とは別扱いなようなのだけれども、あまり細かい事は気にしないでおく。かすてらが、卵と小麦粉を混ぜ合わせ焼き上げた菓子であるのに、それを更に卵に浸して焼いてフレンチトーストに仕立てよう等とは、凡人の発想ではないどころか、常人の発想ですらない。罰が当たりかねない贅沢ぶりである。
しかし、開封して食べてみると、この菓子には意外にも既視感があった。「中まで卵液しみしみ系」ではなくて、「表面にさっと卵液浸し系」の方のフレンチトーストノリなカステラは、確か以前に九州物産展で見かけて買い求めて食べた、カスドースに非常によく似ていた。カスドースは、「一口大に切り分けたカステラを溶いた卵黄にくぐらせ、熱した糖蜜に浮かべ、最後に砂糖をまぶす」製法で作られた菓子である。あちらには郷土菓子としての素朴な風合いがあり、こちらは高級菓子としての細やかな配慮が感じられたが、「卵菓子に更に卵を足した贅沢さ」は共通であり、揺ぎない。よって、「かすてらフレンチトースト」は、九州地方の人にこそ強くオススメしたい一品だと思うのであった。
ホウジャクとオオスカシバ(coco’s bloblog)・なかよしきょうだい(ライオン/動物園写真館 別館)