阿佐ヶ谷にとても美味しいタイ料理屋があるらしく、「東京のカレー特集」的な本では、ほぼ必ずその店が(「タイカレーオススメの店」として)掲載されている。「いつか必ず一度は行ってみよう」と思っていたが、遂にこの日、私の中で“いつか”がやってきた。パール商店街じゃない側の駅前から、今まで足を踏み入れたことのない細い店通りを進んでいき、「これはもうほとんど住宅街」という辺りまで来たところに、ピッキーヌはあった。ロケーション的には“隠れ家”感アリアリだが、「東京のカレー特集」的な本では、ほぼ必ず掲載されている店である。
店に入ると、想像していたのと違って随分狭い。逆に言えば、この狭さでありながら、「『東京のカレー特集』的な本でほぼ必ず掲載」なのだから、味を大いに期待して良さそうである。私はとても張り切って、まず外せないカレーに、麺もの(カウソイ)と丼もの、それからカキオコに大根餅を注文した。ハーフサイズのメニューが充実している点も、私のような「チマチマたくさん食べたい」派に、嬉しいポイントである。
運ばれてきた順からガンガン食べていった。まずカレーを食べて驚いたのが、この店のタイカレーは、私の舌ではっきりわかる程度に甘味(砂糖?)が使われている事であった。都内某所で食べた、ピッキーヌと同じく雑誌に掲載される有名タイ料理店が、砂糖を使った味かつ私の舌に合わなかったので、ごく一瞬「ああっ!?」と落胆が走った。が、本当に僅かな間で消し飛んだ。ピッキーヌは、ありありとした甘さがありながら、とてもちゃんと美味しい。どうやら、私の舌に合う・合わないのポイントは「砂糖使用・不使用」ではなかったようで、とても安心して、その先もじゃんじゃんと食べた。