私の勤め先のトイレでは、「トイレットペーパーで手を拭かないで下さい」との注意書きが、壁に貼り出されている。「ハンドドライヤーを設置しないビル管理会社」vs「ペーパータオルを備え付けない勤め先」vs「ハンカチを持ち歩かない従業員」、低次元な三つ巴の争いが次なるステージに移行し、「トイレットペーパーで手を拭く従業員」vs「勤め先に苦情を申し立てるビル管理会社」vs「従業員に禁則事項を言い渡す勤め先」――という構図で、一応の終了を見たわけである。
私は、「トイレットペーパーで手を拭くぐらいだったら、自然乾燥に任せるかいっそ、スーツで拭く」人間なので、この三つ巴を傍観する立場のつもりでいた。しかし、思い返せば私は、「トイレットペーパーで鼻をかむ」人間でもあった。実家住まいの頃、「お前の鼻をかむ音は汚いから、人前で鼻をかむな」と親に言い渡され、トイレにこもって鼻をかむ内に、始末の良さを考慮してティッシュからトイレットペーパーに移行したのである。ビル管理会社が、トイレの個室に監視カメラを設置しているんでもない限り、トイレットペーパーの細かい使用用途までは把握できないだろう。だとすると、私は「トイレットペーパーで手を拭く」人間の一人に、数え上げられているかもしれない。
というか、今改めて考えてみれば、そもそも一体いつ何処で誰の、「トイレットペーパーで手を拭く」所業が発覚したんだろうか。
つきあげ(せかニャ!!)・耳(ぽれぽれDays)/ピタッ♪(猫式訓練所)・今日のにゃんこ8 ~外猫さん達のほのぼの画像集~(ねこメモ)