かつて横浜の天王町に、「ホワイト餃子」があった。今は、無い。私もまた、横浜に住んでいない。東京で暮らす私の近くに、「ホワイト餃子」はない。強いて言えば、巣鴨にある「ファイト餃子」(一応チェーン店の一つに数えられている)が、行けなくもない場所の「ホワイト餃子」である。しかしこちらの店には、私が最も好む「水餃子」がなく、「焼餃子」1種類であるのが難であった。
先日、川越の町を歩いていた私の目は、「ホワイト餃子」の文字を見出していた。本川越の駅の真ん前、川越にさえやってきてさえいれば、絶好のロケーション。店の作りは、カウンターだけで構成された、まんまラーメン屋であった。メニューもラーメンが数種、そしてホワイト餃子が「焼餃子」に「蒸餃子」に「スープ餃子」とバラエティ豊か。「水餃子」こそなかったが、「蒸餃子」と「スープ餃子」で代替可能であると考え、私は全種類のホワイト餃子を注文した。更に、「豚シウマイ」も追加した。
焼き上がったり蒸し上がったり煮上がったりして、次々登場したホワイト餃子達は、一個のサイズが小降りで皮が程良い厚さで、中身の餡に野菜由来の甘みがぐっと詰まっていて、非常に美味しかった。食べ比べた中では、「蒸餃子」が「水餃子」に近い味わいであり、最も好ましく感じられた。また「豚シウマイ」の方も、肉の旨味が濃厚で、とても美味しかった。
若かった頃には50個近くも食べたような記憶のある「ホワイト餃子」だが、今の私にはそこまでの元気はない。その代わりに、冷凍餃子を数十個買って帰った。家で調理して、細く長く愉しみたい。
素。(烏森口の女王)・斜風にそよぐ(せかニャ!!)/件名:お姉ちゃんが大変です(※テキスト※/ねこメモ)