井荻方面から西荻に向かうバスに乗車していた折、見慣れぬ店が見慣れぬ故に目に留まった。確かこれまで、具体的店名は失念したが、ありきたりなファミレスだった処の筈。ありきたりなファミレスが、他のありきたりなファミレスに取って代わったならば、取り立ててどうという事もなかったが、新しくできたのは名前も知らぬパスタ&ピザ屋。どんな味か確かめたく、でもわざわざ出かけるには微妙な位置故に、善福寺公園へ行った帰りに徒歩で立ち寄る予定を組んだ。新しい味との出会いの為なら、徒歩の苦労も辞さない!――ぐらい書いたほうが気合入って見えそうだが、実際のところは、徒歩をあまり苦に感じない体質なだけである。
店に着き席に着き、まずはメニューをチェック。「元がファミレスだった場所」という点から何となく、「イタリアンメニューに絞ったファミレス」的店を予想していたのだが、各パスタメニューの値段は1000円台と、「庶民的イタリアン」価格であった。その埋め合わせという事もないだろうが、サラダバーがあった。メインの料理に、初回である今回はパスタもピザも押さえるべく、チーズソースのペスカトーレピザと辛いミートソースパスタを注文。それからおもむろに、前菜を取りに立ち上がった。一般的なサラダバーとは異なり、イタリアンな雰囲気の前菜(アンチパスト?)がずらずらっと並んでいるので、殆ど片っ端から皿に盛りつけた。どれも全体的にあっさり味で私好みであったが、その中でも、パプリカをグレープフルーツジュースらしきもので煮た物と、カボチャをオレンジの皮と一緒に煮た物が美味しかった。
前菜を盛り付けた1皿を食べ尽くすかどうかというタイミングで、注文していたチーズソースのペスカトーレピザと辛いミートソースパスタが到着。危うく、前菜だけでお腹いっぱいになるところだった。ミートソースパスタは、生麺特有のもちもちした歯応えに、程好い辛さのソースが絡んで美味しく、ペスカトーレピザも、お気に入り宅配ピザ「ナポリの窯」とはまた異なる味(あっさり?)で美味しかった。また来たい――と言いたいところだが、私にとって立地が微妙(徒歩は辛くないが時間がかかる)なのと、途中から発生したウェイティングが帰るまでずっと断続するぐらいの人気ぶりに恐れを為したのとで、足繁く通うには微妙。でも、ワンシーズンに1回は必ず訪れたい店である。
庭に遊ぶ(世界はニャーでできている。-なでしこ館-)/【画像】物凄く豪快な寝相のネコ&作業場のエンジンオイルの受け皿の中に子猫がいた(以上2点、ねこメモ)