2010-10-04 「スイートレガシー ~ボクと彼女の名もないお菓子~」クリア雑感・その1 他 [長年日記]

「スイートレガシー ~ボクと彼女の名もないお菓子~」クリア雑感・その1

私は私に“ファンタジー”要素を感じさせる、恋愛ゲーを好む。それが男性向けか女性向けかは、ほとんど気にならない。今回の「スイートレガシー」の場合は、「主人公♂がパティシエ修行の為に、女装してパティシエ学校に潜入」という設定が、「女装」「洋菓子」の2点でファンタジーと感じた。実は手に入れたのは随分前なのだが、台詞回しと地の文のネジが数本外れたぶっ飛び具合に、「この際、18禁版を遊ぶべきなんじゃ……」と欲張った直後に失速した(中古屋でエロゲを探すのは至難の技)。今現在の私の嗜好は、「女装少年ものはエロが絡まない方が好き」というスタンス。よって、手元のコンシューマ版を最初から遊び直す事とした。

このゲームの、私にとって非常に画期的な点が、「攻略対象の女の子達の出現場所が、攻略可能状態継続中or攻略対象外のどちらかわかりやすい表示で画面に掲示される」点である。「女の子達の出現場所が画面に掲示される」だけなら「シスタープリンセス」もあてはまるのだが、「シスプリ」はほとんど最後の最後まで、自分がどのEDを迎えるのか把握できなかった。「スイートレガシー」は、そこから更に一歩踏み込んだ親切仕様である。自分の手で“落とす”のに燃えるタイプの人達には、「プレイする意味がない」となるのだろうが、私は傍観者視点でヒロインの人物像掘り下げや心境&環境の変化を眺めたいだけなので、無駄と感じる遠回りや行き止まりは、可能な限り避けて通りたいのだった。

以下、各ヒロインに対して抱いた感想。

彩香
主人公が入学するパティシエ学校の校長の一人娘であり、登場当初から、主人公の秘密(♂)を知る人物。お菓子作りの腕は学年一ながら、自分自身の実力として評価されない立場に鬱屈を抱いている。攻略対象としない場合、最初から最後まで“姐御系ツンデレ”で終わり、割と悪くない印象だが、攻略対象とした場合、主人公がみるみる表す頭角に心折れて遁走→捻じ曲がった形で復活→回り道の末に和解――と、進行に応じて様々な表情を披露してくれる。表情の変化に富んでいる様は、さすがパッケージに起用されるメインヒロインだけあるのだろう。でも、“ブラック化”時の出で立ちが、パティシエファイト衣装+サングラスって酷い手抜き過ぎ。せめて衣装を黒く染めるとか……!
蜜柑
シナリオ第2部から登場する、「ツインテール&赤眼鏡&理論派毒舌&ボクっ娘」。パティシエファイトの司会を務める司の妹であり、よって「妹」でもある。客観的に見て属性多過ぎだが、見た目が可愛いので2番目に攻略した。その結果、「根が素直な処へ環境が影響して育んでしまった頑なさをストレートに表へ出している」中身も、見た目同様に可愛いと感じた。一方シナリオは、頑なさを融かす工程としての「お菓子に気持ちを込める」が、彩香シナリオ等と違って説明不足であり、抽象的な精神論で終わっており勿体なく感じた。でも、頑なさを失った蜜柑も、可愛くて良かった。佐倉姉妹シナリオで登場する、攻略対象にしなかった時の蜜柑は、普通に不愉快な人間である。
桃子
シナリオ第1部のイベントに(雑魚敵として)登場するが、第2部からは攻略可能に。「学ラン+体操着+ブルマ」という出で立ちへ加えて、声が無駄に甲高く、アンバランスさにどん引きして無表情で攻略した。動揺した時のどもりまくりぶりは可愛いし、彼女のシナリオにおける、「誰かの代わりを目指すのではいけない」というテーマも、良い感じなだけに惜しい。――という感想をTwitterでこぼした処、「低身長キャラならばバランス悪くないのでは?」とのアドバイスを受けた。うん、確かにすっきりまとまる。さすがはプロエロ漫画家のアドバイス!(感激) あと、彼女のシナリオにのみ?登場する「パティシエ番長」は、設定は悪くないのに唐突な感じが拭えず惜しい。
ミチル
シナリオ第1部のライバルとして登場する、1学年上の天才パティシエ、ついでに大財閥の令嬢。大財閥の令嬢が、お菓子作りに没頭させてもらえるのか?という大きな疑問は、「きっと財閥の本体企業は菓子メーカーなんだろう」と考えて片付けた。彩香攻略中は、「頼りになるツンデレお姉さん」でとても魅力的だったのだが、本人攻略中は情緒不安定気味であり、それはそれで可愛いんだけど……うーん。ミチル攻略時には、ミチルの最大のライバルである環がガシガシ絡んで落ち着きをなくさざるを得ないし、恋愛中の人間は、客観視したら情緒不安定には違いないんだけれども。ついでに外見も、金髪縦ロール?・切れ長の目・豊かな胸と、一番魅力的。総合的に、一番のお気に入りキャラ。

長くなり過ぎたので、2つに分ける。残りは明日付にて。

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