「今までわがまま放題に暮らしてきた貴族令嬢が、パーティー会場で見かけた美形冒険者に一目惚れするが、『わがまましか取り柄の無い姫様に用は無い、冒険者として一人前になって初めて、視野に入れてやらんでもない』的にあっさり断られ、一念奮起して冒険に繰り出すものの、しかしそこは筋金入りのわがまま娘故に、わがままによって戦闘を有利に変えまくる」RPG。設定と連動したシステムに興味を抱きつつ、バランスが破綻してやしないかと不安も感じていたが、Amazon等のレビューではそういった不満の声も見受けられなかったので、遂に購入に踏み切って早速プレイ開始した。
始めてみると、事前に抱いていた、「わがまま姫の言動にストレスを感じないだろうか?」という一抹の不安は、全くの杞憂だと判った。姫様はこの上なく高慢ちきであるが為に、他者を陥れる方向に働かないポジティブなわがままぶりであり、不快感がない。シナリオ上で試練にぶち当たっても、「神に愛されて当然の己」を自負する余裕から、逆境をも前向きに受け止めるので、いっそ心地良い。そんな姫様の冒険を追体験させて頂ける己の幸運を喜び、姫様の冒険が万端滞りなく進むよう、私なりに頭を使ってわがまま能力を駆使し、姫様(達)のステータスを強化していった。
わがまま能力の具体的内容は、大雑把にくくると「戦闘時の敵挙動コントロール系」「敵&アイテムの出現種類・確率変化系」「経験値&お金増加系」「クエストや戦闘敗北時のペナルティ拒否系」となる。私の場合は、まず経験値とお金が増えるようにさせ、地形変化を使って希望の敵&アイテムが出現するようにさせ、敵と遭遇したら先制攻撃を選択して低ダメージで一掃し、敵が尽きた際に希望のアイテムが手に入っていなければ、敵を再び湧かし、あまり歩き回らず少な目の戦闘回数でクエストクリアできるように努めていた。但し、地下ダンジョンへの潜入では、マップを完成させたいので敢えて全ての土地マスを踏破した。また、敵の強さに歯が立たなくなってきたと感じた場合も、敵レベルを下げさせた上で、敢えてあちこち歩き回って土地マスを通過して戦闘回数を増やして経験値を稼ぐ等して対応した。
ステータス強化は、メインが「食事による姫様自身のステータス強化」。戦闘で減ったHP・MP・WP(わがままポイント)の回復は、通常のRPGと同じく宿屋での宿泊で可能だが、この宿泊の際に、毎回任意の食事を摂る事ができ、メニューによって好みのステータスを強化できる。レベルアップ時のステータスアップは、受け身かつ副産物的であり、食事による強化のほうが、わがまま姫のステータス強化としては本流っぽく感じられて愉しかった。他には、「お供のオウムがレベルアップ時に敵使用魔法の中からランダムで習得(→姫様の行動として選択可能)」「お供のピンクスライムが戦闘終了時に敵能力をランダムでコピー可能(2人パーティーのもう1人として戦闘に参加)」といった内容で、こちらは完全にコントロールができない分、気楽かつ適当な感じであまり意識せずに進めた。
そしてこのゲームの何より素晴らしい点は、メニュー画面からコマンド選択するにあたってのストレス皆無ぶりや、戦闘がさくさく進むストレス皆無ぶりにあった。この比較的マイナーなゲームが実現しているストレスフリーさを、幾つかの“大作”ゲームは見習うべきだと思った。また、低予算ゲームで避けて通り難い「モブ絵の使い回し」や「類似クエストの繰り返し」は、逆手にとってシナリオ内にネタを仕込んで面白味に変換してしまっているところも、個人的には好ましいユーモアに感じた。残念な点があるとしたら、パッケージのイラストの「一般受けしなさ」だろうか。あの絵とこのタイトル名が組み合わさると、一見駄作っぽいオーラを放ってしまう気がしてならない。
ひとり遊び(ぽれぽれDays)・DVDを買うとニャンコが喜ぶ(晴れのちニャンコ日和(別館))・ピンチ。(烏森口の女王)・狸じゃないけどポン!(Neko Jya)・半弧を描く(世界はニャーでできている。-なでしこ館-)/泥棒三毛猫?(猫式訓練所)/誰も信じてくれないと思うが、うちで飼ってた先代猫は一回だけしゃべった(※テキスト※/ねこメモ)