気が付けば、もはや珍しい食べ物でもなくなった感のあるケバブ。しかし、ケバブケバブとよく見聞きする割に、私はその正確な意味を知らない。移動屋台車で見かける、回転する巨大な肉塊は、「ドネルケバブ」。インド料理屋でカレーの付け合わせに出てきがちな、インド風つくねは「シークケバブ」。では一体、「ケバブ」とは何か? 調べてみたところ、トルコを代表とするの「焼肉料理」であった。何という、広大な括りであろうか。
そのケバブの店が、自由が丘にあると聞いて行ってみた。線路沿い、ビルの壁に面した窓が店の全てであり、そこで注文を伝え、商品を受け取る仕組みである。ケバブと言えば、たっぷりの野菜と一緒にピタに挟んで食べる「ケバブサンド」が一般的であるが、こちらの店の素敵なところは、「ケバブ丼」の存在にある。具やら汁やらこぼしがちで食べ辛く、腹持ちも今一つな「~サンド」に比べて、「~丼」は文字通り米であり、腹持ちは折り紙付きである。3種類から選べるソースの中から、辛い「チリ」は本場っぽいけれども食べきれる自信がなく、また米との相性も考えて、「バーベキュー」をチョイスした。するとこのソースが、予想以上に米と馴染んで美味しかった。
残念だったのは、ケバブ丼と是非とも一緒に味わいたかった、「ザクロジュース」の売り切れ。ザクロなんて、果物としてはマイナーだから、マニアックな人気しかないと思っていたところが、普通に人気だそうで品切れていた。月明けには再入荷予定、との店長談話である。