「ゼルダ」「悪魔城」シリーズのようなACTゲーと、「逆転裁判」シリーズのようなADVゲーを好む友人が、新しいゲームを欲していたので、ネット上で評判の良い「~カドゥケウス」を勧めてみた。しかし友人は、1章が終わる前という超初期に、「面白くない」と結論付けてプレイを放棄した。「プレイヤーである自分が、提示された課題をやり遂げたにも関わらず、主人公が勝手な判断をして、手術の成功を台無しにした。少しも面白くないどころかむしろ腹立たしい」との話であった。これを聞いた私は、その腹立たしさを是非とも体験してみたく、友人に代わって最初からプレイを始める事にした。
ゲームの主人公は、新人医師・月森孝介。研修医気分が抜け切らない様を、ベテラン手術助手・古村に小うるさく背中を押されながら、持ち込まれる外科手術をこなして腕を上げていく。手術は、プレイヤーである私が、画面のこちら側からタッチペンを操作してクリアする寸法である。最初は簡単な外科手術で、扱うべき器具の種類も僅か、操作のタイミングにも余裕があり、「この調子なら、アクション苦手な私でも遊べるかもなー」との安心に浸る間もなく、私にとっての最初の関門が登場した。物語から退く古村に代わって登場したのが、利根川アンジュ。経歴は「若年にしてエリート」、見た目は「金髪コギャル」、口調は「キツイを通り越して無礼」な看護婦である。友人が挫折したところの、「主人公が勝手に行動して手術の成功台無し」エピソードは、このアンジュの登場直後に出てくるのだが、私はアンジュを持て余す故に、逆にそれ以外がほとんど気にならず、結果としてスルーできた。
手術の都度、アンジュが挙げるキツめの声にうんざりしながらも、ゲームを進めていった。私≒月森孝介が手術を失敗した場合、手術室に駆け込んできたベテラン医師が手術代行を宣言する慣わしなので、患者の命は恐らく損なわれていないのだが、月森孝介が失敗にめげて失踪してしまい、ゲームオーバーとなる。幾度も繰り返し見せられる失踪ED絵にもうんざりしながらも、ゲームを進めていった。第2章の終盤で、“謎の奇病”「ギルス」が登場した。臓器の中を蠢いて内部から切り裂く生き物である。そのおぞましさと恐ろしさに、プレイしながら心臓がばくばくしたが、ゲームを進めていった。やがて主人公が担当する外科手術は、多種多様な「ギルス」が絡む症例一色となった。それに伴い、手術の難易度もみるみる向上した。主人公も、「超執刀」と呼ばれる特殊能力(発動中の時間経過が緩慢になる)を手に入れはしたが、「1手術中に1度きりの発動」制限もあり、私のアクション下手を補うまでには至らなかった。
私は徐々に、ゲームを進められなくなった。最初は途中何度か、そして5章終盤からは遂に完全に、私は手術場面のプレイを友人に委ねた。友人がプレイ放棄したポイントが「シナリオ展開」にあり、「アクション性」ではなかったからこそ頼んだ訳であるが、それでもプレイ放棄したゲームを代行プレイさせるって、客観的に考えると、血の通った人間の所業ではないかもしれない。しかし当の友人は、クリア後に出現した特別ステージ「Xシリーズ」にまで手を出すか否か、慎重に検討しているところだそうである。こちらはこちらで、癖になってしまっているのかもしれない。
ごはんがたりません(世界はニャーでできている。-なでしこ館-)・ヒモヒモ 其の1 (ぽれぽれDays)・マヌルネコの赤ちゃん 出て来たよ(動物の写真)・上野(マヌルネコ/KumasFactory)/リアルまっくろくろすけ(ねこメモ)/猫を被った猫(※テキスト※/ねこメモ)