処刑される事になった。何らかの罪を積極的に犯した訳ではない。私の属する“層”(年齢? 居住地域? それとも血液型?)は、かねてから人数の極端な多さが指摘され、その偏りが国家に対して深刻な悪影響を及ぼすと判断されていた。遂に、政策として、「一定の人数の間引き」が定められた。私は、その間引かれ対象の1人に、選び出された。言うなれば、“産まれた事が罪”であり、その罪を収拾つける為に、処刑されるのであった。死刑に該当する悪行を働いたのではないから、己の生き様に後悔はない。間引き対象も大人数なので、死を義務付けられた運命への悲嘆も反発もない。そこら辺は、自分でも意外なほどすんなりと甘受できていた。唯一気がかりが、己の処刑方法である。私は、自分の周囲に集っている、一緒に処刑される仲間達に尋ねた。
「うちらの処刑法って、どんなんだったっけ? ネットとかに情報出てた?」
「確か、『水酸化ナントカ』を、全身に浴びせられるんだった筈だよ。強アルカリ物質」
「……えー、それって、身体が灼かれて凄い苦痛なんじゃないのー?」
「そんな事ないってー。浴びせられるのが強酸なら、それこそ凄まじい激痛らしいけど、強アルカリは逆に痛みがないって聞いたよ? それに、凄まじい苦痛をもたらす処刑法だったら、そもそも採用されてないよ。だいたいうちら、何も悪くないのに死ぬ身なんだし」
「それに『水酸化ナントカ』は、骨まで溶かして後始末が楽だし、それってうちらもある意味綺麗に死ねるって事だよ」
ふーん、それならばまあ、いいか……。9割方納得した後、私達“処刑され仲間”は、集められていた建物から出て、長い長い通路を歩き、電車に乗り込んだ。専用ホームから出る貸切列車であり、向かう先は処刑場である。大人数が処刑される割には、電車に乗り込んだ“処刑され仲間”はさほどの人数ではなく、電車の中は空いており、恐らく何回かに分けて処刑が実施されると推測された。各々、好きな座席へ思い思いに座り、二度と戻らない街を電車の窓から眺めた。線路は高架になっているらしく、眺めがとても良い。線路沿いに並ぶ高層建物の壁には、電車の窓からよく見えるように、大きな垂れ幕がかかっていた。
「『●●●2』PS3リメイク版:●月●日発売決定!」
「●●●2」とは、数年前に一世を風靡したギャルゲーであった。1作目の短所を手直しし、長所を伸ばした作りから、当時に大変な人気を博し、今もなお根強いファンを擁している。その話題作のリメイク版が、遂に発売されるらしい。垂れ幕を目にした私達は、他に乗客がいないのを良い事に、誰彼はばかる事なく歓声を挙げた。
「ヒュー! イェー! リメイク万歳!」
続けざまに、次の垂れ幕が目に入った。
「『●●●3』PS3にて制作決定!」
リメイク版の発売と同時に、新作の発表と来た。私達は、先ほど以上の歓声を挙げた。座席から立ち上がって、お互いにハイタッチさえもした。
「ヒューヒュー!! ワァーオ!! 新・作・万・歳!!」
これから間もなく死ぬ運命が、私達の気分をこの上なく澄み切らせていた。自分達がプレイできないリメイク版と新作版の発売を祝し、それはもう心からの喜びの雄叫びを挙げ続ける私達を乗せて、電車は処刑場への道を走るのであった――。
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何この、いろんな意味で悲しい夢は……。
床上1800mmでコロリ(スタパブログ)・人はこれをピッタリサイズと言う(晴れのちニャンコ日和(別館))・おでかけし隊(ねころぐ)・ご機嫌メーター(ネコニッキ)・透明感(世界はニャーでできている。-なでしこ館-)・マヌルネっ子(動物園始めました。)/がんばれ!ぬこたん!!!(ねこメモ)/礼儀にうるさくてちょっとうっとおしい存在の上司(50代男)がいた(※テキスト※)&それ!行け!ねこ爆弾!(※テキスト※)&俺の友達は生まれつき嗅覚に障害があって、臭いがわからない。(※テキスト※)(以上3点、ねこメモ)
こんな写真も撮ってます♪(キセキレイ他/wonderful Zoo)/「ふれあいインコタイちゃん」(タイハクオウム/掛川花鳥園公式ブログ)/YouTube“Never Ending Sneezing Bear”(GIGAZINEより)
10回を優に越えるくしゃみの発作に襲われる仔熊。しかもくしゃみの都度、首を激しく振るので、目が回ってフラフラするんじゃないかと心配になる。<“Never Ending Sneezing Bear”