以前、何の調べ物だったかで、新宿区にある自性院というお寺について知った。招き猫の発祥とされている寺の一つであり、その伝承の元となる秘仏「猫地蔵」は、年1回・節分の日のみの御開帳であるという。新宿区という場所の近さから、これは是非行ってみなければと、有給を取得して馳せ散じた。そして有給ついでに、他の招き猫伝承のお寺も回ってきた。本当は三が日の内に或る寺社仏閣を訪れてはいるのだけども、アレを初詣の場所とするには私のイデオロギーに不足がある為に、そちらではなく今回をば、今年の「初詣」と認識する事とする。
こちら豪徳寺の招き猫伝説は、次のような内容である。「井伊直孝が、鷹狩の帰りに寺の前で猫に招き入れられ、中に入ったところ突然雷雨となり、雨に降られずに済んだ事を喜んで寺に多額の寄進を行った」。福を招くと言っても、井伊直孝に招かれた福よりも、寺に招かれた福の方が遥か大きいような気がするが、しかしこの猫の功績は現代にも続いている。招き猫の由来となったばかりか、更にはあの「ひこにゃん」のモデルにもなったんだそうである。ひこにゃんは、ただのゆるキャラではなく、由緒正しいお猫様だった訳である。甚く感心して、こちらでも小さな招き猫が封入されたお守りを買い、大小取り混ぜた夥しい数が奉納されている招き猫達を、眺めてから帰った。今日のところは、以上で終了。上を書く為に改めて調べたところ、浅草の今戸神社にも招き猫の逸話があるんだそうで、そちらは浅草観光を兼ねて尋ねてみる事としたい。