アレを捜し求めてやってきた西荻で、こぢんまりとした和菓子屋を発見した。私の目は、四つ足と甘味に対して鋭く働く。大きく採られたガラスの向こうで、職人さんが大福を形作っており、ガラスのこちら側である店内には、作り立てと思しき和菓子各種が、籠の中に各々盛られている。職人さんの鮮やかな手さばきをしばし鑑賞した後、見学料の意も込めて――という、自分にしか通用しない言い訳を用意して――和菓子を買って帰る事にした。店の中又は入り口に「ポテト餅」という大きな貼り紙があり、尋ねてみると、「サツマイモと餡子を餅で包んでいる」という。今やすっかり定着した感のあるイチゴ大福よりも、馴染みやすい味に違いないと予想して、こちらを購入した。
そしたらこれが――「買って帰る」と書きながら、家に帰り着く前に食べるとはこれ如何に――、予想を大きく上回る美味しさなのだった。ほっくり甘い、ご存知サツマイモの大きな欠片と、甘さ控えめで豆の風味が活きている餡子の相性が殊の外素晴らしく、またサツマイモと餅の相性もよろしく、この和菓子は何もかもが調和していて途方もなく美味しいのだった。以前、何処かの百貨店の九州物産展で、「いきなり団子」なる、サツマイモと餡子を餅で包んだ熊本名物を見かけて目を輝かせ、売り場前の長い待ち行列を目撃して瞳から光をなくし、しょんぼり諦めて帰った事があった。なるほどあれも、こういう系統の味な訳だから、そりゃ確かに美味しくて列も並ぶというものだなあ。(←なぜか上から目線)
ポテト餅はあまりにも美味しかったので、アレ探索でその辺を一回りした後に、今度こそ買って持って帰ろうと思い店を再び覗いたところ、ポテト餅を初めとする全ての商品が軒並み姿を消していた。そりゃあれだけ美味しければ、すぐさま売り切れるよなあ。(←なぜか上から目線)
チーター やんちゃな赤ちゃん(動物の写真)・日だまり(インドライオン/動物たち・光と影)・カンムリヅル(のんびりと動物園散歩)/「今年2回目! フサオネズミカンガルーの繁殖-上野」(東京ズーネット)