いつものように、RSSやはてブを経由して、何処かのヲタブログを読んでいた。何らかの考察やら紹介やらを、斜に構えて眺める気満々の私だったのに、その記事には、私にとって個人的に衝撃的な事実が取り上げられていた。私が実家で暮らしていた頃には、アニメ・ゲーム・漫画・ラノベ等、一切のヲタ趣味を私から取り上げ続けたあの母親が、古くてマイナーで知る人ぞ知る某ジャンルにおいて、その界隈ではあまりにも著名な重度ヲタであった。しかも私の母親は、そのサークル内で知り合った私の父親に自ら積極的なアプローチを仕掛け、恋を実らせて私を産み落としたようであった。
そのヲタブログの記事に記されていた具体的内容は、今ではほとんど誰の記憶からも忘れかけられたその某ジャンルの概要及び、某ジャンルに当時属していたヲタ供の、熱くも恥ずかしい活動内容――いわゆる黒歴史――であった。その具体的証拠として、母親が父親に当てて書いたという手紙と、当時の母親及び父親の写真が添えられていた。手紙本文には、本体を知らない為に内容は掴みかねるが、思い入れっぷりだけはイヤというほど伝わる熱い感想があり、作品内のカップルに自分達をなぞらえた恋のアプローチがあった。これが他人事ならば、笑い飛ばした後に数分で忘れ、その後は何らかの折にひょっこり思い出して、誰かと話す時のネタにする程度だろう。しかし、自分の母親が自分の父親に当てた手紙からは、子供である私は何処にも逃れようがないのであった。
あまりのこっ恥ずかしさにしばし取り乱したが、「この記事の写真を見て、『素光の母親と父親の若かりし頃だ!』と理解できる人は、十中八九ネット上にいない」と考え直し、少し落ち着いた。そして、私の母親が私に対してあんなにも頑なに、アニメ・ゲーム・漫画・ラノベ等、一切のヲタ趣味を私から遠ざけ続けた理由に、思いを馳せた。もしかするとそれは、自分と父親との出逢いが世間様に顔向けできないと考えて、私にその道を歩ませまいという、配慮だったのかもしれない。或いは、私がヲタ街道を邁進していたらばその内きっと、母親達の過去に触れてしまうと思い、それを必死に回避したかったのかもしれない。いずれの理由にせよ、その気持ちは、ほんの少しだけ判る気がした――。
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事実に全く基づくところのない夢。故に私は、母親が私に一切のヲタ趣味を禁じた過去について、「自分の好き嫌いを丸々子供に押しつけた横暴」だと考えるのを、取り下げたりはしない。
脱出案(せかニャ!!)・優先順位(毎日めろめろ)/釣れました(猫式訓練所)・猫のあくびも伝染るんです。&今週のにゃんこ画像集 その30~外猫さん達の日常~(以上2点、ねこメモ)