昨日作った、「冷製焼きウニのせ冷奴」は、料理としてあまりにも頂けない代物であった。血の繋がった人間からの貰い物とはいえ、自分には高価な食品を活かし切れなかったという意味でも、大いに反省しなければならなかった。そもそも、「冷製」の使い方を間違えているかもしれなかった。
そこで今回は、再びゼロから物語を始めんと、改めてレシピをネット検索してみた。そして見つけたのが、「焼きウニを既成のクリームスープと混ぜて、スープパスタを作る」というメニューであった。これならば、焼きウニを温めて本来の美味しさを取り戻しつつ、手軽さを残すことが可能――である、筈。
家に貰い置きしてあった缶スープを引っ繰り返すと、中に「クラムチャウダー」があった。「焼きウニ」と貝、海産物と海産物、味の調和もきっと悪くないに違いない。私は鍋に、開栓したクラムチャウダー缶の中身をぶち撒けた。続けて、あわびの殻に盛られた「焼きウニ」の中身もぶち撒けた。そして、ぐつぐつ加熱しながら丁寧にかき混ぜた。そして、完成したそれが冷め切らぬ内に麺を茹で、冷め切る前のスープと熱々の麺を混ぜ合わせて、完成とした。
出来上がった、「焼きウニ入りクラムチャウダースープパスタ」。口に運ぶ前から、クラムチャウダーに加えてウニの香りが漂い、温めた成果が感じ取れる。いざ口に運ぶと、確かに、味は全く悪くなかった。冷たい「焼きウニ」のあの味気なさがすっかり改善され、ちゃんと特有の甘味と旨味があった。が、しかし……。「焼きウニ」って、食感が妙にザラザラしてて、スープとイマイチ相性が合わないかも……。もしかすると、裏ごしといった、私には過ぎた調理技術を要求されるメニューだったのかもしれない。
こうなってくると、「熱々に温めてから、炊いたご飯にのせる」のが唯一の正解のように思えてきた。それだったらそれで、私は「焼きウニ」よりも「塩ウニ」や「生ウニ」のほうが好きであるからして、「焼きウニ」の存在意義は、今のところまるでわからないのだった。
人さし指を猫に向ける→痛い(※テキスト※)&長い間、本当にありがとね。本当に、本当に…ありがとう。(※テキスト※)(以上2点、ねこメモ)