前作「マイネリーベ」は、オーソドックスな恋愛SLGながら、由貴香緒里のキャラデザと、欧州貴族風世界のファンタジーさに惹かれて購入した。その期待は、プレイ中にも後にも、裏切られることは無かった。だからこそ、その続編である「~II」は、「絶対に外さないに違いない」という確信を込めて購入したのだった。
しかしプレイし始めると、当惑が立て続いて、私の確信をぐらぐらと揺らがせた。まず、絵がアニメ調に変わっており、前よりも整ったようでいて、由貴香緒里の原画が持つ耽美さを薄めていた。次に、主人公が転校生としてローゼンシュトルツに転入するのは良しとして、前作では意中の相手を巡って凌ぎを削ったライバル三人娘が、今作では髪の色も性格も随分常識的な枠に収まった“先輩”として登場してきた。ゲームは恋愛SLGでなく、恋愛ADVに変わっており、適した選択肢を選ぶと薔薇が咲くのは前作に通ずる雰囲気だが、不適切な選択肢ではヒビが走るという殺伐仕様になっていた。ぐらぐら困惑しながらもゲームを続けていると、突然勃発するクーデター。間もなく始まった戦争は、ルーイ(高飛車キャラ)が煽ってナオジ(忠節キャラ)が支え、オルフェ(理想主義キャラ)とエド(庶民派キャラ)が団結して対抗し、カミュ(病弱不思議っ子キャラ)が静観してアイザック(ワイルド中年キャラ)が暗躍。主人公は、彼等の内の一人にぴったり寄り添ったり、彼等の間を行きつ戻りつしながら、戦争の行く末を見届けるのだった――。って、何これ……?
確かに、主要キャラ5人は前作で学園を卒業したのだから、今作でも引き続き学園恋愛モノを堪能できると考えていた私が、甘かったのかもしれない。がしかし、コテコテ戦争モノへ移行するとは予想しておらず、このギャップには結局最後まで馴染めなかった。そればかりか、架空の国を舞台にしたゲームだった筈が、「ドイツ」「総統」「優生計画」等の単語が飛び交う様には、ゲームを放棄するまでではないものの、反発も覚えた。傭兵育成&恋愛SLG「みつめてナイト」の続編「みつめてナイトR」が、ロリコン復讐&着せ替えRPGに激変したのに似た暴走ぶり、と感じた。「みつめてナイトR」の場合は、着せ替え部分に魅力を見出して、ざわざわする気持ちがそこそこ落ち着いた。なので「マイネリーベII」にも、同じような落し所を見つけようと考え、「選択肢が展開のみならず、テキストの細部にまで影響する繊細なシステム」を当てはめることとした。アニメ2作品を事前に観ていれば、また違った感想になったかも知れず、その場合は関連作品を追いきれなかった私の落ち度ということになるだろう。
あと、キャラ造詣及び物語的に非常に安易だと判ってはいながらも、今作初登場のマッドサイエンティストショタっ子・ジークリードのEDは好みだった。見た目の眼鏡と、声の福山潤も良かった。
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