昔飼っていた猫、レオンの事を、唐突に思い出した。たった今、唐突に思い出すまでの長い間、ずっと忘れていたのだった。忘れていたのは、レオンの姿をずっと見かけないからだった。でももしかしたら、レオンの姿をずっと見かけない理由は、私が先にレオンの存在を忘れ、ご飯をずっとあげずにいて、レオンを何処かで餓死させてしまったせいなのではないのか……?
深い恐怖と悲しみに囚われ、救いを求めて窓の外に目を遣ると、レオンがそこにいた。レオンは随分前に、開いた窓から家を抜け出し、家の外を取り囲む雑木林に飛び出して行ってしまい、以後放浪の生活をしていたのだった。ごく偶にしか帰ってこず、外に置いた皿のごはんも殆ど食べず、だから私はごはんをあげなくなり、レオンの事までもすっかり忘れてしまっていたのだった。
そんなレオンが、レオンの事を思い出したこの瞬間に、ひょっこりと帰ってきた。私は、「ああレオンがいて良かった」と思って、レオンを呼び寄せた。レオンは素直にやってきた。私はレオンを膝の上にのせ、レオンの小さな頭を自分の頬にぐりぐりと擦り付けた。柔らかい毛皮の下に、頭蓋骨の堅い感触が感じ取れた。
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しかし、目が覚めてみると、ひどく当たり前の話だが、レオンはそこにいなかった。レオンが今ここにいないのは、引越の際に、自分よりも住環境が良い友人に託したからであった。レオンの事を忘れていたのは、諸事情によりその友人と疎遠になり、レオンの近況を聞けなくなったからであった。
acrobatic(Cerveceria)/ボクのハンモック(猫式訓練所)・な、なんだってーっ!!的な画像(ねこメモ)/踊るお父上(※テキスト※)&家族も寝静まった夜中に雄叫びをあげ走り回る女主人様(※テキスト※)(以上2点、ねこメモ)
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