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★ 来海えりかは「いい異性友達」「いい同性友達」になり得るか？

すけきょう氏による、「ハートキャッチプリキュア」のえりか評（→「注意する」（ポトチャリポラパ））を読んだ。

・で、プリキュアですよ。本来の小さいオトモダチにはバトルシーンの長さを面食らうんじゃないかくらいにリキの入ったバトルが。
・そして、緊張と感動の糸をすべて解きほぐした、後半5分の「えりか劇場」は最高でした。彼女はいいね。
・未知数のところは多いけど（ま、中学生だしね）、彼女はいい嫁になりそうよ。いい母（対子）で、いい嫁（対義親）で、いい奥さん（対近所）な。コミュ力が低いおれにはすごくいい感じ。家事とか、妻としてはどうかはわからんけど、それもうまくやってくれそうな気がするし。

えりかは、寒色系コスチュームという絶対的ハンデのせいで、メインターゲットである低年齢女子層にはあまり人気がない、と伝え聞く。しかし、そちらでの不振を補って余りある、“大きなお友達”層からの絶大な支持を得ている、とも伝え聞く。「伝え聞く」というよりも、間合いが若干間近く、「垣間見ている」と言って良い。すけきょう氏も、彼等の例に漏れず、えりかに毎週骨を抜かれては、生じた隙間に生きる気力を充填されている、“えりかジャンキー”のお一人であらせられる様子。しかし、アラフォー独身女たる私は、えりかの魅力を認めつつ――認めてるからこそ――彼女の境遇について、主に２つの危惧と不安を抱いている。

１つは、「えりかを愛するヲタ系男子達が、えりかと同じ世界にいた場合、彼等は果たしてえりかを愛し続ける事ができるか？」というもの。Ｗｉｋｉｐｅｄｉａ「ハートキャッチプリキュア！」の人物紹介分にも、「他人と心の垣根をあまり作らない反面、内向的な相手の感情に合わせることは苦手で、思ったことをすぐ口に出して相手を傷つけることもしばしば」と書かれているえりか。純粋な好奇心と好意から、ヲタ系男子の弱点を鋭く突き刺す様子が目に浮かぶのである。序盤の頃、つぼみが彼女に振り回された光景、そのままである。曰く、「●●くんさあ、アニメとか漫画とかゲームばっかじゃなくて、ちゃんと現実も見なきゃ駄目だよ！」。曰く、「●●くんって、どうして昼休みいつも一人でごはん食べてるの？　一人が好きなの？　ご飯美味しくなくない？」。恐らくは、他の女子達と違い、相手がヲタ系男子だからだと変に距離をあけたり等せず、至近距離に無造作に立ち、低い身長故に少し見上げる姿勢から繰り出す上目遣いで、あの可憐な声が言葉の弾丸を放つのである。その時ヲタ男子は、えりかを愛するが故に、憎まずにもおられないのではないだろうか。

もう１つの不安とは、「えりかを取り巻く同年代女子達が、えりかに対してどのような感情を向けるか？」というもの。えりかはご覧の通り、元カリスマモデルの母と現売れっ子モデルの姉に通ずる可憐な容姿を持ち、現時点では身長に恵まれずモデルにこそなれないものの、「その低身長こそが良い！」と感じる男子達は恐らく少なくない。また、ファッションに興味があるが故に相応におしゃれであり、好奇心旺盛で面倒見も良く、自然と周囲を牽引する事が多い、リーダー気質でもある。だがしかし、未だ中学生の身を差し引いても、配慮に欠け、飽きっぽく、そしてだらしない。オトナから一人の少女として見下ろした場合、これらの欠点如きはチャームポイントでもあるのだが、間近にいる同年代女子から見た場合には、えりかは相当「うざい」可能性がある。「ちょっと可愛いからって鼻にかけて」「チビの癖に」「おしゃれぶったって、どうせ母親と姉の受け売りじゃん」「そんなに自分の家族が自慢かよ」「人の気にしてることを平気で人前で指摘して、性格悪い」「生意気」「バカのくせに」……等々。これらの感情を水面下で燻らせた少女達が、えりかのいつものような些細な失敗に乗じて“制裁”に出る絵が見えてしまう。というのも、小学校の時に、実際こういうイジメがあったもので……。

しかし、ここまで書き切ってからふと我に返るに、非実在少女が「描かれる物語の後でどのような境遇に至るか」を心配するのは、杞憂中の杞憂であり何も生まない。非実在少女が「いい母＆嫁＆奥さんになりそう」という前向き妄想なら、日々の糧となり得て不毛ではないのだが。私も非現実相手には、前向きな妄想ができるようになろう。なりたい。なれるかな。

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