2010-03-17 「MOTHER3」クリア雑感 他 [長年日記]

「MOTHER3」クリア雑感

「MOTHER1+2」クリアから「~3」のプレイまでに、何となく半年弱の間が空いた。「~1」「~2」の余韻がすぐさま上書きされるのを惜しんだからだった気もするし、「~3」が短いと聞いて手出しを惜しんだからだった気もする。結果的には、「~1」や「~2」と「~3」はかなり趣の違う作品であり、間を空けていて良かった。

マップ
  • 「~1」「~2」と同じく、村や町とその外の世界が同じスケールで描かれてはいるのだが、章毎に動き回れる範囲が制限されて“面クリアステージ的”であり、感覚的には狭く感じる世界であった。
  • しかし実際、「~3」の舞台は“狭い世界”であったので、狭く感じて問題なかったし、むしろそれを狙った演出かも知れない。
戦闘
  • 「~3」で新たに導入されたサウンドバトルは、戦闘BGMのリズムに合わせてテンポ良くボタンを押す事で連続攻撃が入り大きなダメージを与えられるシステムであり、だれがちな雑魚戦を引き締める画期的なアイデア。
  • 私個人はと言えば、最初は頑張ってリズムに合わせて連続攻撃を繰り出していたが、戦闘BGMが複雑化?し出した途中からついていけなくなり、脱落。元々、リズムゲーの類が大の苦手である。
ストーリー
  • 「1:祖父母の因縁を引き継いだ孫が、世界の脅威にひっそり立ち向かう物語。“MOTHER”とは、祖母が世界の脅威に抱いていた包容力を表す」→「2:偶々見出された主人公が、世界の脅威にひっそり立ち向かう物語。“MOTHER”とは、ヒロインに託された母性を表す」→「3:偶々巻き込まれた主人公が、世界の脅威に皆の支援を受けて立ち向かう物語。“MOTHER”とは、序盤で巻き込まれて死んだ、主人公の“母親”そのものである」。流れを追ってまとめたら、物語が小さくなっている印象に仕上がった。
  • ぶっちゃけ、主人公一家を襲った悲劇とそれを乗り越えてラストまで流れる母の愛よりも、“キングP”を襲った悲劇と“キングP”が見せる某対象への偏愛ぶりのほうが、深い印象である。
  • ゲーム中に気が滅入る程の暴力描写が、低頻度ながら登場した。「~1」「~2」の“恐怖や重さを煽るエピソード”なら、親元離れた冒険の心細さや世界を救済する重さに直結しててアリなのだが、暴力シーンは何の為にそこに存在するかが結局わからなかった。不快感を煽るだけの目的なら、演出としては安いと言わざるを得ない。
キャラ
  • 主人公が没個性なひ弱キャラなのは「~1」「~2」の踏襲として、仲間の中で異質な存在になりがちな“兄貴分”キャラを初っ端に操作させて予め馴染ませておいたのと、犬を最後まで一緒にいさせてくれたのは、とても良かった。
  • ヒロインの性格と言い、マジプシー達の存在と言い、既存のジェンダー観からずらした設定にしているのは、意図があってのものだろうか? それとも単純に、主人公母との差別化を図る為だろうか?
  • “キングP”は、これまでプレイしたゲームの中でも頂点を争う不快キャラでありながら、嫌われ者の末路として感情移入せずにおられず、非常に身につまされた。足掻き方を間違えれば、私もああなるであろう。
  • 主人公兄は、ポジティブ人間が陥る可能性の一端として見え、気の毒には感じたけれども、私の将来進む道にも過去に進んだ道にも、存在し得ない未来であり、共感は存在しなかった。
  • ヨクバは、「笑い声が不気味」とか関係なく、仕出かした行為によって積極的に不快な奴であり得なかったので、「実は優しい一面もあったんだよ?」とか言われても、「それは誰もがそういう一面を持つものでしょうね、で? それが何か?」という気持ちにしかならない。これも、意外さと後味悪さを感じさせるだけの目的なら、演出として非常に安い。だからこれは演出ではなくて、本当に「悪人ってそんなもの」という描写なんだろう。

ここまで書いて、「結局『~3』って何の物語だったんだろう?」という気持ちになった。「~1」「~2」は、プレイが終わって今なお“MOTHER”感があるのに対し、「~3」の“MOTHER”は規模が小さい故に、ラストバトル内限定の感動に留まっている。むしろ「~3」の“MOTHER”は、物語をまとめる単なる横糸に過ぎず、その他のキャラ達の来た道と行く末にこそ、メッセージ性があるのかもしれない。全員それぞれの意味で、実は“終わっていた”人間であった彼等が、きっちりと引導を渡されて本当に“終わった”り、或いは再生に向かった――というところに。

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