嘘も偽りもなく、私の現在の主業務は掃除である。その証拠に、私はちょっとだけ掃除に詳しくなった。例えば、ガラス&鏡の清掃。私は家では、「風呂場の鏡:曇ってきたら石鹸で洗う」「室内の姿見:埃の付着が目立ってきたらクイックル的なもので拭き、ヘアスプレーの霧等がかかったら濡れティッシュで拭い取り乾いたティッシュで仕上げる」程度の手入れしか行っていない。しかし職場においては、メインとして与えられた業務だからこそきっちりやらねばと考え、基礎が全くないところから奮闘してきた。
まず、職場で与えられた布巾に、経費で購入した通常の住居用洗剤(「ガラス可」の説明書きあり)を使って、思いつく限り王道的であるガラス清掃を行ってみた。すると、何という事でしょう。ガラスの表面に、テッカテカの拭きムラが残った。この段階で思い至るに、布巾がおろしたてであり糊が残っていたのだった。私はしょんぼりして、洗濯用石鹸を使って布巾を洗濯した後、乾いたそれで再びガラスを磨いた。しかしそれでも、一度ついた拭きムラは消えずに残ったままだった。
次には、「ガラス専用」の住居用洗剤を手に入れた。ガラス用ならば、拭きムラも綺麗に落ちて残るまい!と鼻息荒い私であったが、いざ拭いてみると、これは一体どうした事でしょう。先の通常住居用洗剤にも勝る、激しくテッカテカした拭きムラが残った。恐らくは、成分に明記されており商品の売りともなっている、「オレンジオイル」という物質が、悪い方向に作用したのだった。オイルは油なんだもの、拭き後に膜も残すよなあ。じゃあ何で配合しているのかっつー話だけれども。
その後、セーム革で磨き上げてみたり、ガラスワイパーの平均価格を調査してみたりとふらふらする私の前に、同じ職場の人が差し出したのが、某100円均一ショップの「液晶用クリーナー」(スプレー式)及び眼鏡クロス。試しに使ってみると――面白いように曇りと拭きムラが落ちる落ちる。落としきった下から、真にぴかぴかの鏡が現れた。100均商品、侮れなさ過ぎる。
なお、一応念の為に書き添えておくと、100均液晶クリーナー&眼鏡拭きは、ガラスや鏡含む硬くて平らな物質をピカピカに磨き上げるのに向いているが、目立った汚れ・頑固な汚れを落とすには、若干の力不足が否めない。その場合には、敢えて普通の住居用洗剤で汚れを落として曇りを発生させた後に、OAクリーナーと眼鏡拭きで曇りを落とすのが良さそうである。私の研究に因るならば!(得意げに)