ここ最近、携帯ゲーや据置ゲーとは別枠で、mixiアプリの各種育成ゲーにもかまけている。植物の種や動物の子供を購入して育て、偶発的或いは人為的に発生するアクシデントに適切に対応して収穫量を上げ、同様の世話をマイミク達の作物に対しても行う。そうやって経験値と資金を稼ぐ内に、飼育数の枠が拡大されたり、上位の植物や動物を育てられるようになったりするのが、ゲーム継続のモチベーションとなるように作られている。まったりゆったりだらだらと遊ぶゲームであり、いつか何らかの形で“卒業”した時にでも、思い出として書き残せれば良いと思っている。
さて、今回書いている「モブストライク」は、mixiアカウントで参加可能故にマイミクから紹介されたゲームであるが、前述のmixiアプリ系各種育成ゲーとは趣を異にしている。育成ゲーには違いないのだが、育成対象はマフィアの1人である自分自身。犯罪スレスレの仕事や犯罪そのものに手を染めたり、他の参加者と抗争したりして、経験値と資金を稼ぎ、体力・攻撃力・防御力等の各種ステータスを上げたり、武器・防具・乗り物等の各種装備を充実させたり、資産運用に資金を投じたりする。
荒事と競争を苦手としている私であるが、このゲームには意外にもハマった。「他の参加者(恐らく筋骨隆々で錨だらけの服を着て傷と入れ墨まみれ)達が血で血を洗う抗争に明け暮れる中、あくまでも業務としての各指令を淡々と事務的に処理する私(地味な事務服か作業服とか着た化粧っ気のない貧弱なおばちゃん)」を実践してみたら、とても愉快だったのである。
ところが、私は一人我が道を歩んでいるつもりでも、他の参加者達には私の独自性を尊重する義理がないのだった。“業務”にハマって、戦闘系の能力を疎かにしている為に、抗争をふっかけられればほぼ負ける。負けるのは止むを得ないが、何人もが立て続けて乗り込んで来るようだと、“業務”に必要な装備を整える為に銀行から金を下ろした途端にざっくり奪われる場面も発生し、私にとって肝心な“業務”に支障が生じる。そして中には、私を“良い鴨”だと見て、間を置かず幾度も幾度も襲撃してくるプレイヤーも出てくる。抗争履歴が1人の名前でびっしり埋められているのは、何の人間関係も発生していない間柄の相手から粘着されているようで、気持ちが悪い。
そこで私は、意を決して、途中まで育てた自キャラを削除した。そして新たにアカウントを取り直し、方針を徹底する方向でゲームを再スタートした。まず、“業務”に全力投球すると決め、戦闘系の能力を一切伸ばさない事にした。それからここが大事なポイントなのだが、襲撃してきた相手に“良い鴨”だと思われないよう、基本的に資産運用を行わない事にした。厳密には、一部の装備に発生する経費のマイナス分をギリギリ補うだけの資産運用しか行わない事にした。これにより、私は通常手持ちの金を持たず、私を襲撃したところで相手が得られるのは幾ばくかの経験値のみとなり、つきまとう価値が半減した。
今のところ、再スタートした私は、裏世界で非常に愉しくやれている。手に負えない粘着か致命的なバグに遭遇しない限り、全ての“業務”を完了した後に、その思い出をここに再び書き残す予定である。