朝、起き抜けに目眩がした。運動不足の身には頻繁に訪れる、立ち上がった直後に目の前が音立てて真っ暗になる、あの「立ちくらみ」とは別物の、視界がゆっくりと回転する感覚。以前にも数回、類似の目眩に見舞われた事があったが、今回は僅かながら気分の悪さも覚える程の強度があった。台風と関連した、気圧の乱れによるものだろうか。
腹痛や胃痛ならともかく、目眩は我が身の異常として見過ごし難く、医者に行く決意をした。目眩の折にかかるべき医者をネットで調べ、とりあえずは耳鼻咽喉科に行けば良いと判断し、仕事もあるので勤め先近くの耳鼻咽喉科を訪れた。医者は、私の耳奥を覗き込んだり目の動きをチェックしたり等し、「三半規管に異常なし」と診断したらしい後に、こう語った。
「もしもまた目眩がしたら、首をうんと振りなさい。動きに慣れて、目眩が気にならなくなるから」
医学知識に裏打ちされた指示を求めて行ったところが、「運用でカバー」しかできない技術的に貧しい界隈から発生した、まるで年増OLの知恵袋みたいな言葉を突きつけられて、腑に落ちないながらも引き下がる他に道はなかった。目眩がこんなに恐ろしいものだとは、思いもよらなかった。
Lサイズには無理なこと(毎日めろめろ)・ゴンさんとの攻防(ぽれぽれDays)/“Flying feline, hidden kitten: The fur flies in amazing 'Ninja' cat fight”(Mail Online/かーずSPより)