★ 強い胸の痛みを感じて（乳腺）外科へ

家でダラダラ過ごしていた先週末。布団の上に寝転がろうとすると、左胸の下辺りにピリリとした比較的強い痛みが走り抜けた。寝転がる動きを止めざるを得ない程に強い痛みだった。常日頃から姿勢の悪い私は、肋間神経痛持ちである。だからその時は、「今日の肋間神経痛は、いつもの３倍ぐらい痛いｎｙａー」位に思っていた。

ところがその少し後、今度は胸に直接強い圧力をかけると、肋骨と肋骨の間といった身体内部でなく、もう少し体表に近い部位に、神経痛のあの電流が走るような痛みとは異なる、もっと水っぽい沁みるような強い痛みが走り抜けた。思わず前のめりに丸まるぐらいに強い痛みだった。未体験の痛み故に、どう対処すべきか少しだけ悩み、「通常の日常生活において、胸に強い圧力をかけなきゃならない事なんてｎｙａー」と考え、気をつけて過ごしながら自然回復を待つ事に決めた。

一夜明け、平日を迎えていつものように通勤電車に乗って出勤した私は、いつものように混雑した電車でいつものような押し潰され、隣り合った女性の肘が偶々左胸の下に突き刺さり、辛うじて無声ではあったが非常に悶絶した。その数時間後、昼休みを迎えていつものように昼食を早めに食べ終えた私は、いつもではないけれども昼寝しようとし、机の角が左胸の下に突き刺さり、今回も無声ではあったが非常に悶絶した。気をつけて過ごすなんて無理だと悟った。

残りの昼休み時間で調べると、「乳癌が痛みを伴うのは僅かな例だが皆無ではない」「乳腺症は摘出手術が必要な場合も」等の情報にぶつかり、胸の内に痛みばかりか不安までがこみあげてきた。更に残り僅かの昼休み時間を費やして、勤め先付近の乳腺関係に強そうな外科医を探し当て、極力早急に診察を受けに行く事に決め直した。この謎な痛みが、ぶり返したり悪化したりしてはたまらない。触診時に必ずや待ち受ける痛みの甘受と引き換えに、この先の平穏を手に入れたい。

電話予約を入れ、診察時間の関係で案の定少し早退する事となり仕事を早めに切り上げ、いざ医者に向かい、順番を待ち、診察室に呼ばれてここまでの経緯を話していざ診察台に横たわった。あの痛みの再現をやり過ごすべく、ぐっと全身に力を入れ息まで止めた。ところが。数時間前までには確実にそこに存在していたあの痛みが、女医にどう押されようがどう揉まれようが、全く甦らなかったのだった。それは、衝撃の結末であった。

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