私の勤め先は、密かに静かに荒廃している。非常階段の壁の随所が陥没しているのは、引越し直後から目に付いていた。「外観立派めでも人目に触れないところがボロっちいビルだなあ」と思った後に、「しかしこの“ボロっちい”は、陥没から派生した印象であって陥没の理由ではない」と考え直し、陥没の理由に思い巡らせ、「きっと誰か、重くてかさばる荷物を運んで猛スピードで階段を行き来する最中、勢い余ったりバランス崩したりして激突した名残なんだろう」と結論付けて考えるのを止めていた。
しかし先日、面識のある他部署の人に教えられ、非常階段の壁の上方に、得体の知れない付着物の存在を知った。階段を登る人は背後を振り返らないし、階段を降りる人は上を眺めない。なのでこれまで気付かずにいたその物体、一見画鋲にも見えなくもないそれは、吐き出されたチューイングガムの残骸だった。まるで何かの星座のように、間隔をあけて複数個へばりついていた。
「やっぱ汚いビルだなあ」と思った後に、「しかしこの“汚い”は印象に過ぎず理由ではない」と考え直し、付着の理由に思い巡らせ、前述の「壁の穴」のような好意的理由を捻り出せなかったので、暗鬱とした思いに囚われた。公園でも学校でもない、れっきとした社会人しか集わない会社のビルに、こんな幼稚で荒んだ所業を刻む人が、同じビルの中にいる。今はもういないのかもしれないが、いるのかもしれない。ぶっちゃけ怖いし気持ち悪い。
私はこの、気持ち悪さと不安を誰かに共有してもらいたくて、手近な人々に「非常階段壁の得体の知れない付着物」について語った。語った内の若干名が、わざわざ辺鄙な場所に足を運んで確認してくれた。ある人は、「病んでいる」と述べた。しかしある人は、こう語った。
「年末だからクリスマス気分になって、『小人のロッククライマーが壁をよじ登る時に掴まるアレ』だと思えば、ほのぼのとする」
陰鬱な現実を救うのは、げに想像力。私の勤め先は、密かに静かに荒廃してなぞいない。私の勤め先には、小人のロッククライマーが棲みついていて、従業員達が帰り去った後に、趣味のロッククライミングに興じているのだろう。そして、ロッククライミングに失敗すると、苛立ちのあまり壁を蹴り付けるか殴りつけるかして凹ませているのに違いない。
盆栽か!(Cerveceria)・ブレがありません(気が付けばデブ猫)・あっちもこっちも(ぽれぽれDays)・魚の国のネコだもの→隣の芝生だから欲しいの(毎日めろめろ)/超不機嫌(猫式訓練所)/「瓶詰め猫の製造過程(2個入り)」(ザイーガ/教官不定期日誌より)・「今年初めてストーブつけたら大惨事発生」(ぁゃιぃNEWS 2nd/教官不定期日誌より)/YouTube“Dolores”(猫奉行より/教官不定期日誌経由)&“制服にスリスリ~猫(=^・^=) RARA likes uniforms of the sons”(ザイーガより/教官不定期日誌経由)
駄菓子屋の店頭で駄菓子が入ってる的な斜めに広い口の瓶に、猫が1匹詰まり、更にもう1匹詰まり。製造過程はキツキツで若干地獄のようだが、詰まってしまうとパラダイス風。<「瓶詰め猫の製造過程(2個入り)」
飼い主?に超接近して何かを訴える為に、足をよじ登る垂れ目風仔猫。ものすごく可愛いけれども多分かなり痛い、けれどもものすごく可愛い。<“Dolores”
脱ぎ捨てられたままのズボンにスリスリしまくる猫。好きな匂いを身に纏うと見せ掛けて、「ちゃんと片付けないと毛だらけにする」という躾。<“制服にスリスリ~猫(=^・^=) RARA likes uniforms of the sons”
閉じた瞳(アミメキリン)&ハンバーガー(レッサーパンダ)(以上2点、Photolog Zoo)・ネコだねぇ~。(アムールトラ)&キキ(オランウータン)(以上2点、やきにく写真日記)/「1.2メートルを超す巨大なキングサーモン現る」 (らばQ/ポ☆ニューより)/「イヌとネコは親子同然!―安徽省巣湖市」(レコードチャイナ/教官不定期日誌より)
隙間に首が挟まって動けなくなるなんて……。この方のように足繁く動物園に通って様々な動物達と馴染みになっていると、ちょっとした仕草や表情を活き活きと捉えられる反面、別れも真に身に迫って感じられるんだろう。<閉じた瞳