松山油脂の薄荷石鹸が非常に使い心地良く、シャワーを浴びる都度爽快なのと、他にも理由があって、思い切ってシャンプーとリンスとトリートメントも、松山油脂の“薄荷シリーズ”を買い求めてみた。
私は長年、自分の髪質について微妙に悩んでいた。美容室に行くと必ず評される(not「賞される」)程に、髪がサラサラなのだった。「髪がサラサラ」とだけ書くと、美点に見えるかもしれないが、私の髪は極めて太くて硬くて直毛で豊富である。サラサラ髪が価値を持つのは、適度な太さ硬さ量の場合であって、極めて太くて硬い髪がサラサラなのは、言うなれば「デブの巨乳」並に当たり前過ぎる。いや、貧乳デブの私からすれば、「デブの巨乳」にだって充分価値があるのだけど、それは今はさておいて、とりあえず大量極太剛毛がサラサラなのは、私と多くの世間にとって全く価値がない(実際、“髪の毛サラサラ”と評す美容室店員に、褒めているニュアンスは感じられず、むしろ面倒そう&気だるげである。)。
また私は、ここ数年ずっとショートヘアである。朝出がけにヘアワックスで髪の流れを作って出かけると、勤め先等に着く頃には「何一つ手をかけていない真っ直ぐ髪」に戻っている。ヘアスプレーを併用して固めて出かけると、今度は表面の髪の毛だけが起き上がったまま残りが元に戻り、不自然極まりない立たせ具合になってしまう。
そして、ドラッグストア等で広く販売されているシャンプーというものは、大概“しっとり”か“つやつや”か“さらさら”のいずれか或いは全ての仕上がりを売りにしており、使えば否が応でも日々サラサラにされ続けてしまうのであった。で、その辺の髪質改善を兼ねて、いわゆる石鹸シャンプーに手を出してみたのだった。そうしたところ、石鹸シャンプー&リンス&トリートメントは、一般的なシャンプー&コンディショナーと比べて使用感にかなり違いがあり、なかなか面白いのだった。
まずシャンプー。泡立ちは一般の物と比較して遜色ないのだが、ぬるま湯ですすいでいる段階で、指がひっかかって軋む。この感触には何やら懐かしいものを感じなくもないのだが、何を使って洗った時に同じ感触だったかまでは記憶にのぼらずもどかしい。次がリンス。透明でサラサラで、一般の物と明らかに違う外見。石鹸シャンプーのリンスは、シャンプー後の毛髪のpHを整えて石鹸滓を除く為のものだそうなので、目的からして明らかに違うのだろう。髪全体に行き渡らせて再びぬるま湯ですすぐと、再び指がひっかかって軋む。リンス時において、これまでに似た体験をした記憶はない。新鮮。最後にトリートメント。トロリとしてはいるが、これも一般の物とは違い、歯磨き粉又は木工用ボンドみたいなトロミ。これまた髪全体に行き渡らせて再びぬるま湯ですすぐと、一般のコンディショナーやトリートメントのような胡散臭いしっとり感ではない、自然な感じのしっとり感。
タオルドライしてドライヤーした後の髪の手触りも、変にツルツルせず、自然なしっとり感と柔らかさがあって、なかなか良い――と思う。正しい評価は、1週間か1ヶ月か使い続けてみてからでないと、判らないのだけど。
オニオオハシ お話中です(動物の写真)