★ 南房総(2)鴨川シーワールド+鯨料理
平日と同じぐらいに起きて支度してチェックアウトして外房方面へ。身支度してた頃合に起きた地震のせいか、電車が少々遅れていたが、電車の遅れをアナウンスする駅員も電光掲示板もないのが新鮮だった。
入り口を通ってすぐ見える海岸は波がダイナミックで、さすが太平洋さすが外房。
- ベルーガパフォーマンス
- イルカ特有の流線型から少し外れてぽっちゃりめのライン、大きな体に白い肌のベルーガ2頭が、水槽の外に立つ飼育員の繰り出す音声或いは記号模型の指示に従って、逆立ち状態でくるくる回転したり、素材の異なる図形を選び出したり。ベルーガの持つ音波による探知能力と人との意思疎通ぶりを上品にプレゼンするパフォーマンスだった。潜水艦のソナー使用がイルカ達に致命的ダメージを与えかねない事、イルカ(クジラ含む)を食する行為が犬を食するのと同じぐらいに気持ち悪いと見なされかねない事とが腑に落ちた気がした。あと、ピンク色したベルーガ専用特製目隠しを装着するパフォーマンスは少々卑猥だと思った。
- イルカパフォーマンス
- 小型でシャープなカマイルカと、大型でややずんぐりめなバンドウイルカの2種類による、アクロバティックなショー。同じ組み合わせによるイルカショーをエプソン品川アクアスタジアムで観たけれど、こちら鴨川の方はそちらと比べて正統派かつ技能的にも優れている感じ。ジャンプだけ取れば、エプソンのイルカの方が高らかにジャンプしていたような気もするけれど、鴨川のイルカはその他の芸でも魅せる。ボールを鼻先にのせて向こう岸に運んで見せて観客を唸らせた直後、他のイルカが両ヒレでボールを挟んで向こう岸に運んで見せたのが小憎らしかった。ショーの最後にプールサイドに並んで上陸するのも可愛らしかった。
- シャチパフォーマンス
- ショーが始まる前に、「前5列まで大変まとまった水がかかります」と、観客の目を見据えながら
圧力をかける親切に教えてくれる案内係。私が座っていたのは3列目。結論から言うと飛沫しかかからなかったが、たまたま運が良かったからに他ならない。他席の小さい子供と小学生男子3人組は、頭からバケツの水を被ったような有り様になっていた。さてシャチのパフォーマンスは、「トレーナーとシャチのコミュニケーションが上手く行かない」とやらで、際立った演技は見られないまま終わったが、あの巨体が悠々泳いで“まとまった水”を跳ね散らかし、多少でも人の指示に従う様を見ただけでも感動があった。
- アシカパフォーマンス
- アシカは前述のベルーガ・シャチ・イルカと比べて、大きさも地味だし存在もありふれていて華々しさに欠けるのは否めない。がしかし、ショーを4人家族のほのぼのストーリー仕立てにし、笑いどころのコネタをふんだんに交えつつ見せ場もきっちり仕込み、飼育員のナレーション&アテレコでフォローするきめ細かい演出で、前述の3種のパフォーマンスと遜色ないレベルに引き上げていた。いろいろ小技を繰り出していたけれども、お父さん役を除いた3頭が縦に連なってプールの周りを一周して見せたのと、お父さん役の1頭がショーのラストに観客へ顔を向けて口の両端を引き上げ「笑い顔」を披露したのがとても印象に残った。
その他
- よちよちと必死に殺到する光景を期待して待ち構えていたペンギンのフィーディングタイムだったが、彼等は1回に巨大な魚1匹をもらって丸飲みするからあまりお腹が空かないのか、バケツを持った飼育員が登場しても過半数が我関せずだったので淋しかった。
- 展示施設移動中に、大変タイミングの良い事に「ペリカンのお散歩タイム」に行き合わせた。ペリカンは大きいけれども威圧感を抱かせない程良い大きさで、特徴的なクチバシが先端恐怖を呼び起こさないので、散歩姿は素直に可愛い。ペンギンの散歩もあれば見たかった。
- 「手で触れて可」のゾーンにヒトデがいたので、つかんでひっくりかえしてみたところ、裏面から紫色した無数の触手がウニョウニョと伸び、星形の身体はゆっくりと時間をかけて徐々にしなり反り返り、自分がした行為の結果であると受け止められないぐらいに気持ち悪かった。
帰路、捕鯨基地として有名な和田町で途中下車。目的はもちろん鯨料理。日中はベルーガやイルカのショーを見て、「イルカ(クジラ含む)を食する行為が犬を食するのと同じぐらいに気持ち悪いと見なされかねない事が腑に落ちた」とか言っておきながら、それを見て言った同じ日に大喜びで鯨を食べる訳であるが、「ショーに出たイルカを食べるのでなければ大丈夫」という風に、私の中では折り合いが付いている。
メニューには到底食べきれないほどの鯨料理が並んでいて到底食べきれないので、友人と頭を絞って「ヤキヤキ丼」(ツチ鯨)と「ヅケ丼」(ミンク鯨)の2種類をチョイスした。「ヤキヤキ丼」は、焼肉っぽく味が付けられ火が通された鯨の肉と、キャベツやもやし等の野菜類がのった丼。私の舌では「これは鯨である」という識別がなし得なかったが、美味しいか美味しくないかで言えば文句なしに美味しかった。「ヅケ丼」は、肉の刺身のヅケと皮の刺身がのった丼。間違いなく魚でなくて肉である事がわかる生肉特有の甘さ、でもとてもさっぱりしていて美味しかった。
懐と胃腸に余裕があれば、「いろいろな鯨の味が楽しめておすすめ」な特上刺身を食べてみたかったのだけど、まあいずれそういう機会があればなぁという事で。