2004-12-06 口角炎/ニュースいろいろ/「ブレードランナー 最終版」/「吸血鬼ドラキュラ」 [長年日記]

[雑記]口角炎

口角炎ができて、なかなか治らない。口角炎は口内炎ほど痛みがなく支障をあまり感じないので、ビタミン剤を服用して積極的に治す努力をしていないし、モノを食べる際にはいつも通りに大口を開いてしまい唇が裂ける感触に「あ」とか思う事の繰り返しだし、かさぶたを掻き毟る癖があって傷口が塞がる端からこじあけてしまう。だからなかなか治らないし、治らないのも当然である。年内までに治れば良いかなー」ぐらいにのんびり構えている。

口角炎を患っている自分の顔を鏡でしみじみ眺めていて、「ドメスティック・バイオレンス(DV)被害を受けてる人」(又は、「酔っ払って殴り合いの喧嘩をした人」)に見えると気付いた。

[動物]萌え猫画像

萌え猫画像 簀巻(たまもの。/烏森口の女王(12月6日付))・ラブラブ(sugurimilk diary(12月6日付))・Cat Lover Blog Gallery 2004ネコと映画と私(12月6日付)より)

3件目は、「猫ブログ集ニャマゾンの年末企画、ブログ写真ギャラリー」だそうである。写真を順に眺めているだけで存分に萌えられる。なお、応募はニャマゾン(詳細はこちら)登録サイト限定かつ、参加規程厳守との事。

[食べ物]鶏卵、6週連続高値更新/作業小屋火事で鮒寿司1000万円相当全焼

「1000万円相当のふなずし全焼 近江八幡 すし保存の小屋で火災」

作業小屋に火災が発生、中に保存されていた樽漬けの鮒寿司約2t(1000万円相当)が焼失した、との記事。「食べ物が粗末になった」「お金が無駄になった」だけでなく、農作物窃盗と同種の「今までかけた手間隙が無に帰してしまった」切なさがある。「農作物窃盗は盗んだ人が有効活用してるから無に帰してない」とかいう屁理屈は禁止。

[その他]輝く夜の動物園/「ライトノベル☆めった斬り!」

本メモ ライトノベル☆めった斬り!Mint Julep(12月6日付)より)

SF翻訳家の大森望他が執筆する、「対談と書評で読むライトノベル三十年史」との事。「ライトノベル完全読本」を既に買ってるので、こちらはどうしようか少々迷い中。解説書を何冊も揃えて読み比べるほどには、ラノベというジャンルに入れ込んでいる訳でもないし。

[VIDEO・DVD]ブレードランナー 最終版(主演:ハリソン・フォード/監督:リドリー・スコット)

TSUTAYA online 作品紹介

人間そっくりに作られてはいるが、人間とは違い生き物への愛情を感じない人造人間「レプリカント」。人間の代わりに危険な作業場等に配属されている彼等の内4体が、脱走して地球に潜伏、彼等の識別に長けたベテラン捜査官「ブレードランナー」のデッカードは、彼等の捜索を命じられる。

ディックの原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を読んだのが約3年前(→2002年1月27日付の感想)、その時点でビデオも観ようと思っていたのに、実際に観るまでに随分時間がかかってしまった。ビデオ屋の棚には「監督自ら再編集した一層ハードボイルドな仕上がり」の最終版と「映画でカットされた暴力シーンを追加」の完全版が並んでおり、どちらを観るべきか悩んだが、「『完全』と『最終』なら『最終』かなあ?」とよくわからないままにこちらを借りた。後に聞いた話では、追加されている暴力シーンはかなりエグイものだそうなので、エグイ暴力シーンが苦手な私には正しい選択だったかもしれない。

ストーリーは、確か原作には織り込まれていた筈で最近のディック原作映画にも色濃く反映されている、謎解きというか「世界観及び主人公のアイデンティティの変化」といった面はほとんどなく、淡々とした追跡劇となっている。その代わりに、建物から小道具に至るまでの緻密な設計が、猥雑で暗鬱な近未来を見事に描き出しており、映画が作られた時代にはさぞかし観客を驚愕させただろうと想像される完成度。今観てもさほどの遜色は感じられず、また氾濫する日本語が雰囲気作りに一役買っている点も面白かった。逃亡レプリカントのリーダー(ルトガー・ハウアー)及び、彼と共に行動している女レプリカント(ダリル・ハンナ)は、どちらも「人間そっくりだが人間ではない」不気味で哀れな存在に成りきっていて、とても存在感があり良かった。

[VIDEO・DVD]吸血鬼ドラキュラ(主演:クリストファー・リー/監督:テレンス・フィッシャー)

TSUTAYA online 作品紹介

「吸血鬼ドラキュラ」を原作にした吸血鬼映画は数多くあるが、クリストファー・リーをドラキュラ役に、ピーター・カッシングをヘルシング教授役に据えたこの作品は、今なお語られる名作の1つなのではないかと思う。古過ぎてレンタルビデオ屋の棚に並ばず、憧れつつも観る事の適わなかったこの作品だが、先日DVD版をレンタルビデオ屋の棚に見つけ、小躍りして借りた。

「ノスフェラトゥ」同様、登場人物は原作とは異なり配置換え及び整理されていて、ハーカーの妻がルーシー・ルーシーの兄がアーサー卿・アーサー卿の妻がミナとなっており、セワード医師とキンバリーは陰も形も出てこない。また原作では、「奔放な魅力で男性3人の愛情を一身に集めたルーシー」「控えめな態度で知恵と勇気を差し出し男性達の精神的支えとなったミナ」、と2人の女性は役割分担されていたが、この作品ではどちらもただ「ドラキュラに魅入られ抗う術もなく餌食となる哀れな女性」となっている。長身に黒マントを羽織った端正な雰囲気をかなぐり捨てて血まみれの牙を剥き出すリーのドラキュラと、始終落ち着き払った紳士的な態度と豊富な吸血鬼知識で着実にドラキュラを追い詰めるカッシングのヘルシング、この2人が主役であり、他の登場人物は彼等を引き立たせる添え物に過ぎない。今まで観たドラキュラ映画の中で、ダントツにカッコイイドラキュラでありヘルシング教授であった。

それにしても古い映画は、台詞まわしも大道具小道具も画面構成も演出も音楽も、全て枠にはまっていて、時として退屈を催すのかもしれないが、同時に(恐怖映画にもかかわらず)安心感をも得られてなかなか良いものである。「こういった古い映画が今の時代に楽しめるのも、DVD再録のおかげだなー」と悦に入りつつ画面に見入っていたら、肝心の吸血シーンに差し掛かる度に狙い済ましたかのように画面跳びが起きるのだった。吸血シーンを堪能できない吸血鬼映画なんて、陳腐な筋書きと女優インタビューだけで肝心のSEXシーンがないAVのようなものである。失意に浸った私は、「前言撤回、DVDはやっぱりダメだ」と強く思ったのであった。

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