仕事を終えて家に帰ろうと駅に入ったら、電車のダイヤが乱れていた。何でも、幾つか前を走っていた電車が煙を発したので、緊急停止して運転を見合わせていた、らしかった。私が駅に着いた頃には、運転見合わせこそは解除されていたが、そこから生じた遅延を巻き返すまでに至っていない状況であった。
ホームに立ち、電車の到着を待っていると、現在の状況を説明するアナウンスが聞こえてきた。駅員は言った。「発煙した電車は、現在正常運転を行っております」。それを聞いた途端、私は何とも世知辛い、いたたまれない気持ちになった。発煙した電車が直るや否や運転させたからと言って、「安全性の確認に問題があるのではないか?」といった疑いは微塵も抱いていない。そこは私にとってポイントでなかった。そうではなく、「『発煙』というあまり一般的でない異常事態を来たしたにも関わらず、直ったら即通常運転に駆り出される働かされぶり」が、私が身を置くレベルの世間に似ており、変な具合に身につまされたのであった。
その直後のアナウンスで、「発煙した電車は、現在回送運転を行っております」と訂正が為された。私は、とても安堵する一方で、一抹の寂しさ――「ああ、電車は私の“同士”ではなかったんだな」――をも感じた。
テラス組の(はせべのお気楽猫たち)・コレ にゃんだ?(ちびうるシンガプーラ♪)・残り湯のぬくもり(ニャ郎ども通信)・日向ぼこ(ぽれぽれDays)・ギリシャの猫ビューティーコンテスト1位から3位まで(The Greek Cats)/まだ暗い中ドアを開けたら、外で待ってた猫が家の中に飛び込んできた(※テキスト※/ねこメモ)