10年ほど前に、中古箱なしの物を買ってプレイし、途中の中ボスが倒せずに中断、以後長きに渡って寝かせ続けていた。しかし先日、リメイク版(NDS)を手に入れて、「2つを同時並行プレイして違いをチェックしてみよう」というノリが生まれ、改めて一から始め直す気力となった。
サガ2の魅力は、何と言っても、独自の成長システムにある。操作するキャラクター全4種族の内、人間とエスパーは、装備した武器や技の特性に応じた能力が、戦闘終了後に上昇して成長する。この内、人間は装備品を8つも装備でき、エスパーは4つしか装備できない代わりに、ランダムで覚えた特殊技を残り4つの枠に装備する形を取る。メカは、装備した武器・防具・技の固有値を、己の能力値へ素直に反映させる。モンスターは、戦闘終了後にランダムで手に入る「肉」を食べる事で、特定能力値&技固定の固有モンスターに「変身」する。これら4種族を、パーティー4人枠にどう組み合わせて配置するかで、戦略方針やゲームの難易度が変わってくる。10年以上越しのクリアを目指す今回の私は、とりあえず無難に超オーソドックスに、人間♀・エスパー♀・メカ・モンスターと、NDS版同様の編成としてみた。
リメイクのNDS版と並べてプレイして判る事は、旧いゲーム特有の、素朴な難易度高さである。敵がランダムエンカウントであり、何と言っても遭遇率が高い。回復にこまめに気を配らないとすぐさま戦闘不能に陥ってしまうが、こまめに回復するには、アイテム所持数の制限が厳しい。かといって、アイテムを消費せず済まそうと戦闘を逃げ回っていると、能力値が上がらずお金も貯まらず良い装備品が買えず弱いままで、また自分より高レベルのモンスターからは、戦闘から逃亡できない確率が高いようにさえ感じる。
そういう訳で、NDS版と同時並行で進めていたところが、成長速度の遅さや財政難により、こちらGB版が後に取り残される形となった。しかし、10年前とは違い、「アポロンを倒す(=アポロンに倒されない)為には、魔力が一定以上必要」と学んでいた私は、アポロン戦直前で人間♀の武器を猫の爪から魔術の杖に持ち替えさせ魔法を空振りさせまくって魔力を30前後まで上げたので、アポロンの攻撃にも無事耐え切る事ができた。ぶっちゃけ、アポロンさえ倒せれば、後はそのモチベーションで意気揚々突っ走ることができた。
他にも、リメイク版と並べて判るのは、NDSとは比べようもないGBの狭い表現限界の中で、粗いドットでも的確な描写ができているドット絵の巧みさである。それは、キャラクタ絵といった一つのパターンに留まらず、各パターンを配して作り上げたダンジョンにも及ぶ。通路配置や広さが絶妙で、退屈するほど簡単ではなく、投げ出したくなるほど難解でもない。ゲームの魅力を損なうものは、突き詰めればセンスの無さやバランスの悪さであり、表現の古めかしさはゲームの魅力を損なう要素ではない――と思ったのだけれども、これはゲームウォッチ時代からのゲームを一応見知ってはいる、中年固有の見識に過ぎないんだろうか。