2009-10-21 不細工グラドルである私がアクション映画に挑戦させられる夢を見た 他 [長年日記]

不細工グラドルである私がアクション映画に挑戦させられる夢を見た

私は夢の中で、グラビアアイドルであった。年齢や体型に不足はない風だが抜きん出た魅力もなく、頭や性格といったプラスアルファの売りもなく、何よりも残念な事に顔が残念な、グラビアアイドルであった。デビュー直前直後は勢いで何とか押し出せても、その後安定して売り出していける顔ではない程度に不細工な、グラビアアイドルであった。当然、私は全く人気が出なかった。事務所は、私という不良在庫の扱いに苦慮した。そして、私に厳命した。「アクション映画にねじ込んで出演させるから、全力で頑張って成果を出せ」と。

私は、グラビアアイドルであるので、静止画・動画問わず撮影には慣れている風であり、カメラの前に立つ不安は皆無であった。しかし、アクション俳優ではないので、アクションシーンには全く慣れていなかった。映画製作陣もその事を熟知しており、私はアクション演技について、何一つ期待されていなかった。しかし私は、全力で頑張らなければならなかった。

私が挑む撮影は、次のような段取りの場面であった。「迫る危機から逃れる為、現在の足場から跳躍して、隔たった位置にある何らかのオブジェクトにしがみつく→その弾みにオブジェクト自体が安定を失い、私ごとジェットコースター的に移動→頑張ってしがみついている→やがてオブジェクトは落下の危機を迎える→落下寸前、再び跳躍して次のオブジェクトへ→以下繰り返し」――芸人が体を張る過激バラエティ番組をベースに、幾分体裁整えてみました的な、陳腐だけれどもツボを押さえた、まさに王道的なアクションであった。

リハーサルで自分の動線と跳躍タイミングを把握した後、いよいよ本番。ところが、1回目の「跳躍→オブジェクトにしがみついてオブジェクトごと移動」を何とかこなした私は、そこで安心して気を緩めてしまい、2回目の「跳躍」を失敗、次のオブジェクトに到達できなかった。慌てて手近な足場に降りるも、予定と外れる行動である為、何の仕掛けも作動せず無駄に危険なばかり。大慌てて他の場所に跳び移り、更に他の場所に跳び移り、本来のルートを大幅に外しながらも、最終的には目標の着地点へと何とか復帰し、最初と最後だけ帳尻を合わせる形となった。

私のミスにより、私のアクションシーンは想定より随分と地味な仕上がりとなった。しかし、現場の誰も私に期待していなかったので、私は誰の期待も裏切らず、よって誰にも責められず、そして撮り直しも行われなかった。私はこのまま、この地味なアクションシーンを最後に、芸能界から静かに消えていくのだろう。

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夢を見ている最中に、「これは夢だ」と薄々察しており、具体的にはアクションシーンの最中に「もしも大失敗して大落下したら、そこで目が覚めておしまいだぞ」と考えていた。また、自分がグラビアアイドルだという設定にも関わらず、自分のナイスバディぶりを確認する場面がなかったり、そもそも事務所が私の整形手術を計画したりしなかったのは、アリアリと私個人の想像力の限界で興味深い。

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