秋の日のどやかな阿佐ヶ谷にて、冬支度を早々と整え終えた。
この日阿佐ヶ谷に出た目的は、商店街内外の猫やペットショップの小動物達との触れ合いの他、そろそろ今年のブーツを手に入れる為だった。私は足癖が非常に悪く、ブーツを履くとほぼ必ずワンシーズンで履き潰す。基本、普段着に合わせられるカジュアルでプレーンで安価なショートブーツしか買わないので、大した浪費とも受け止めていない。しかし、流行を追いかけようとしている訳でもないのに、毎年必ず買い換えなければならないというのは、少々面倒。とりあえず、昨年買って履き回し利きまくったボブソンのブーツを見に、昨年と同じ靴屋にやってきてみたところ、今年のボブソンも型は異なれど同程度に履き回し利きやすそうなので、ほとんど迷わずそれを購入した。昨年とは違い、爪先が丸っとしているが、パンツに合って私にも合えば何でも良い。色は最も無難げな、ダークブラウンを選択した。
ここまでは予定通りの買い物であったが、他に突発的に想定外の買い物をした。商店街の途中に出現した殺風景な“バーゲン会場”に、5千円の値札が付けられたファージャケットを見付け、それに誘われて店舗スペース奥深くまで入り込んで、3千円の値札が付けられた裏地フェイクファーのミドルコートを見付け、少し悩んだけれども両方まとめて購入。ショートコートのほうは、数年着倒していい加減古びたユニクロのもこもこジャケットと色&デザイン激似でそのまま後継げるし、ミドルコートのほうは、厳寒期の外出時に活躍する筈だし、非常に安価だった上に今後の運用もバッチリな見込み。よって、両者とも「想定外の買い物」だけれど「衝動買い」ではない。――と言い張りたいところだが、後になってから、一点深い懸念が出てきた。
「裏地フェイクファーのミドルコート」は、フェイクファー。つまりフェイク。「ファージャケット」は、ファー。つまり毛皮。因みに兎。かつてネットにて、毛皮製品が動物虐待の産物であるという話を聞き込んで、「では以後買わないでいよう」と考えていたつもりが、思いがけない場所であまりに安く手持ちとデザイン激似な商品を見掛けて、何も考えずに購入してしまったのだった。家に帰って、手持ちのユニクロジャケットを処分している時にようやく思い出した時には、買ってしまった事と忘れていた事の両方に、愕然とした。しかし、かと言って、バーゲンで買ったものは返品きかないし、潔く捨てられる程のお金の余裕はないし、そもそも「買って即捨てる」行為には何ら毛皮取引抑止効果がない。残された僅かな望みは、私の買った品がバーゲン流れのB級品以下の代物であり、これの購入に毛皮取引拡大効果もない――と信じる事、のみ。
「『ミラバケッソ』CMで注目 モコモコ毛の『アルパカ』大人気 」(J-CAST/→アルパカ牧場日記)