★ 三陸磯汁＠津田海苔本舗

昨日付の笹蒲鉾に引き続き、こちらも田代島＆石巻の自分用土産として、石巻のしみん市場にて購入したもの。中身は乾燥させた海藻類（海苔・とろろ昆布・麩）で、「味噌汁の具にどうぞ」的な説明が裏書きされていた。ワカメやアオサ等、海藻の味噌汁は好物だし、何より味噌汁の具用の野菜を今後しばらく買わずに済むのが便利と判断し、買って帰った。

ところで、同様の乾燥海産物に「しじみ汁」というものがあり、全国各地の港町に収まらず、スーパー等でも売られている。こちらは、袋から出してお椀に入れ、湯を注いでかき混ぜれば、しじみの汁物が簡単に美味しく出来上がるという代物。これまでに何度か買って飲んでいる。

この「しじみ汁」と、それから「塩蔵わかめ」のイメージが、何となく私の脳内にこびりついていた為だろうか。私は、「海藻は海の物だから、そのままで自然の塩味がついているに違いない。『三陸磯汁』は、味噌や調味料を入れなくとも、お湯注ぐだけで飲める物なのではないか？」と考えるに至っていた。

己の考えの正しさを確認すべく、お椀に「三陸磯汁」のみを入れ、湯を注ぐと、途端に豊かな磯の香りが湯気と共に立ち上がった。香りを嗅ぐだけで、絶妙な加減の塩味・とろける舌触りとシャキシャキした歯応えまでが、脳裏に浮かぶ程。これ程までにとても良い香りがするんだから、絶対このまま飲めるに違いない。私は強い自信を持って、汁を口に運んだ。舌の上を広がる汁には、湯気よりもっと濃密な磯の香りが溶け出しており、そして味は――お湯そのもの。

あの瞬間感じた、拍子抜け感とやっぱり感のハーモニーは、今思い出しても絶妙な調和だった。その後、汁は、お椀にだしの素を振り入れて、お吸い物っぽく味付けて飲んだ。ちゃんと美味しかった。

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