冷たいかびしょ濡れるかの雨じゃなければ、雨の日でも傘を差さずに歩く。傘は、買うに気に入るデザインがなく、持ち歩くに邪魔っ気で、差すと視界が遮られ暗くなり、傘立てに差すと他人に盗られる。ほぼ良い目に遭わない。冷たいかびしょ濡れるかで、差さずにいられない場合は、ビニール傘を使用している。買うに悩まず、視界を遮られず、他人に盗られても精神的にキツくない。近頃では、ビニール傘愛用者に加えて、小雨時に傘を差さない人も増えており、私がこれ以上悪目立ちしなくて済む、割とありがたい時代になった。
だったのだが、そんな同志達を裏切って、ビニール傘ではない新しい傘を1本買ってしまった。近頃巷で目にする16本傘。私としては、丈夫さはこれっぽっちも重視していないのだが、デザインが丸っこくて可愛らしくて和傘っぽいのも良く、前々から気になっていた。先日ハンズで見かけ、1000円という安さだったので、とりあえず1本おさえておく事にした。
「おさえておく」という表現になるのは、実は色と柄が、赤系統でシンプルでありきたり過ぎじゃなくて、基本的には好きな方向の筈なのに、何処かで何かが引っかかって「気に入った」と即答できない為。具体的に何が引っかかっているかをずっと考えていてようやく思い当たったのは、「何だか女性下着の色と柄っぽい」という事だった。それも今時よりずっと昔、ちょうど女児用下着のプリントがバックプリントじゃなくて、フロントプリントだった頃の。
違和感の理由が紐解かれてみれば、それは即ち「レトロで可愛い」という事になり、16本傘の和傘チックなデザインにもふさわしかろう――と、のっけの感覚を否定して文脈で納得し、受け入れる事に決めた私であった。
それに、私はこの時気付いてしまった。私のこの新しい16本傘に限らず、女性傘の色と柄ってばどれもこれも皆、そういう目で見れば「女性用下着」っぽいのである。明るいピンクに白の水玉然り、紺地のチェック柄然り、水色つややか生地然り、黒地の縁に白い花柄レース然り。殿方諸氏におかれましては、じめじめな梅雨を少しでも心明るく乗り切る為に、この視点を持って出掛けられるようご提案する次第である。
ビニール傘の人は、「はいてない」とでも見做しておけばさだめしよろしいんじゃないだろうか。私もう差さないし。
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