勤め先にて、「著しく評判が悪い、フィンランド(だったかスウェーデンだったか)のお土産」を振る舞われた。真っ黒で鈍い艶があり、見た目には美味しくなさそうだが食べるとそれ以上に美味しくないという、そんな飴。目の前のブツが、巷で噂の“世界一まずい菓子”である事に気付いた私は、他の皆が顔しかめて食べる事さえ辞退している中、1人だけ大喜びで受け取って、でもそこからは慎重に口に運んだ。
ブツを口に含んだ途端、脳裏に浮かび上がった映像は、「緑色した基盤と銀色に光る半田」「黒い円柱型したコンデンサ」「ベージュ地に様々な色線を浮かべた抵抗の数々」――であった。何故だろう、この飴は不思議にも、電子工作の味というか香りがするのだった。
一片の美味しさも見出せない食べ物であったが、北欧辺りでは子供から大人まで幅広く愛されているという話だし、はしゃぎ過ぎた人が一過性のネタとして捻り出したゲテ食物(例:ジンギスカンキャラメル)とは明確に扱いを隔てて敬意を示しておきたい。
がんばれ!もうちょいだ。(キリン/やきにく写真日記)/「泥が恐いためにブーツを作ってもらった小ブタさん」&「イタリアにいるユニコーン鹿ちゃん」(エルエル)