リスはガラスのように無機質で何の感情も読み取れない目をこちらに向け、上半身を前傾させ両手をこちらに向けて広げ、全身には不吉な緊張を漲らせていた。
予想し得ぬリスの姿に狼狽して周囲に目を走らせると、道の前方からじりじりとこちらににじり寄るリスの集団、或いは通路のロープを伝って近付いてくるリス達。異様な迫力に気圧されてつい立ち尽くしたその瞬間、死角に潜んでいたリスが私の肩目掛けてジャンプ!!!→爪を立てて綺麗に着地!→爪を立てたまま分厚いミトン目掛けて移動!→そして、そこにお目当ての餌がないので立ち止まる!(ここまで連続して、リスのターン) | 以下、無言の圧力に屈して慌てて餌を差し出す私→バリバリと噛み砕いて満足して、後は用無しとばかりに降りるリス→第二波の襲来を察知して怯えながら移動を始める私→私の動きに合わせてじりじりと形を変えるリス包囲網→ヤケクソ半分、この状態を写真に収めておこうと考える私→バッグから携帯を取り出そうとする私→その隙を逃さず再び飛び掛るリス→ファスナーが開いたままの私のおニューのMKオムのバッグに爪を立てて飛び移るリス→リスをどうやって追い払ったものか考えが浮かばず頭が真っ白になる私。まだまだ行くよー(リスが)。 |
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更に飛び掛る別のリス→硬直する私を尻目に軽やかに私の身体を伝い、脇に挟んで固定していた餌袋を目敏く見付け、口にくわえ力強く抜き去って逃走するリス→事前の係員説明「餌を奪われるな」を思い出し、慌てて追跡する私→餌袋からヒマワリの種をバラ撒きながら逃走を続けるリス→その間別の箇所で身体を上下に小刻みに揺らしつつ何かしらの警戒音を発している別のリス→必死で追いかけてようやく餌袋を奪取するも、袋の中に数粒しかヒマワリの種を残してもらえなかった私。 |
その残りのヒマワリの種は、主に「追っ手リス集団を足止めして無事逃げ切る」目的に使った。リスの恐怖の真髄は、彼等の身体の小ささにある。いざとなれば私のほうが身体も大きいし力も強いし動きも早いのだけど、逆に圧倒的な体格差故に、加減を誤ると一転してこちらが動物虐待者になってしまう恐怖。とにかくほうほうの態で出口へと向かい、そこで別の係員に「大丈夫でしたか?」と問われた時、私は「この係員達はいつもこんな修羅場を目の当たりにしているんだな……」と妙に醒めた気持ちで考えていた。 |
しかし人間の心理とは不思議なもので、中にいる時は期待裏切られ感も手伝って、「怖い怖い」「出たい出たい」と考え続けていたというのに、いざ外に出てみると、ちょっとしたジェットコースターで一周し終えた後のような爽快感。決して“ファンタスティックでハートウォーミング”ではなかったけれど、意外性とローコストさとローリスクぶりでは上質の“スリリングでエキサイティング”な、日常空間に間近い非日常体験であった。腕に何箇所も付けられたリスの爪によるミミズ腫れが消え失せた頃にでも、また来てみたいと思う。
柚子や生姜。(烏森口の女王)・シエスタしないの、キリア?(The Greek Cats)・LIME STYLE(にゃんげる係数)・落ちちゃった(ほんわかにっき)
猫のお友だちになりたいコスタ(ノラちゃんのギリシャ!)/「ハワイ沖で半分イカで半分タコな生物発見」(スラッシュドット ジャパン/→画像:“Curious creature caught off Keahole Point”/sodiumイオンにっきより)
★ 「ネットは善意で溢れている、暴力的なほどに」(狐の王国)
2ch等で“幼稚な正義感”を加速させるのがネットのスピードなら、歯止めをかける教養を与えるのも同じ、という主張(と読んだ)。付和雷同するばかりの大半に教養を身につける意欲があるかは、個人的に悲観している。
★ 「ベルリン動物園、人気子グマの定期公開を中止」(ロイター)
人気が落ちて公開の経費を維持できなくなったのか、逆にますます過熱する人気に悪質な悪戯でも多発しているのかと身構えて読んだら、「体重50kgまで成長して危険が増した為」だった。無事成長した事を喜ぶべし。
★ 「愛犬家は要注意! キシリトール中毒の危険性」(産経新聞)
今年3月に米動物虐待防止協会が呼びかけた注意(→「愛犬家注意! キシリトールは犬にとっては有害」(産経新聞))を、米獣医学協会が焼き直し。強力なインスリン分泌作用で血糖値が急激に低下、ふらつき・虚脱等に陥るとの事。
★ 「サイレン(ト)の詩がきこえる」(ル・クルーゼひとつ・ライフ)
昭和30年代築「阿佐ヶ谷住宅」は、様相の異なる家毎に遊具を据えた広い庭がついていて、趣深い散歩道であり、来年には取り壊されるという噂であるらしい。中央線沿線の阿佐ヶ谷であるなら、散歩しつつ写真撮りたい。
★ 「サメ肉バーガーどうぞ 推進会議が試作 気仙沼」(河北新報)
※キャッシュ※ 鮫は鰭だけじゃなく肉も食べよう――と気仙沼で創られた、モウカザメフライ&蕎麦粉パン&豆腐タルタルのバーガー。都内の魚屋で買って食べたモウカザメは全くアンモニア臭がなく美味しかった。地元の人も是非。
★ 「2人の美女にそれぞれ声をかけ『あなたは実に美しい』と絶賛した32歳の男が捕まる」(なんでも評点)
見ず知らずの異性から容姿を論評されるのは確かに不快であるが、それが賛美の言葉であっても逮捕される程の行為であるのが腑に落ちないのは、私が見ず知らずな異性から容姿を称賛される経験のない女だからかなあ? mizukikのブックマークより。