2007-06-16 ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語――夢の楽園@原美術館/萌え猫&アニマル/はてブより [長年日記]

[雑記] ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語――夢の楽園@原美術館

ヘンリー・ダーガー展看板@原美術館「美術館に展示される作品の多くは、現代を含む或る時代に一定以上の評価を得た技巧に秀でた作品か、そのような作品を生み出した人(々)の初期から晩年までの体系か、当時の文化や世相を偲ばせる文化的資料ではないか。しかしヘンリー・ダーガーの作品はそうではない。現代にいながら閉じた世界に生きた彼という人間がある種の芸術品であり、彼の作品はそれを説明する補足資料である。ヘンリー・ダーガーは、人生の大半を孤独の内に生きたと伝えられる。その人生の長きにわたり、少女達が大人を相手に正義の戦いを繰り広げる物語を妄想し、物語や絵画にそれをかきつけた。彼の家主が当時名を知られたデザイナーであった、という偶然から、ダーガーの作品は突如日の目を浴び、現在の日本にもこうして運ばれ展覧されるようになった。

私がダーガーの絵を眺めに来た理由はいろいろあって、高きは畏敬から、低きは見世物見物気分まで。他人との接触にいつもそれなりに悩み苦しむ非コミュ傾向としては、何十年もの人生を孤独に生きて己の妄想練り上げに費やした潔さに、痛い程の憧れを抱く。また、己の内の何事かを吐き出したいという創作意欲をかつて持ちながら、己の絵なり文なりの低レベル加減を容認できない為に、いつしか創作意欲を失った身としては、トレース或いはコラージュという技法を生き生きと操る彼の器用さに舌を巻き、一縷の望みを見出す。その一方で、深い愛をもって長年育んできた己の王国を、死後他人に委ね赤の他人の目に晒し続ける羽目となった、彼の境遇に憐れみを感じ、男性器を持つ少女の絵を描き続けた彼の内面に、下世話な関心を寄せてもいる。

実際に目の当たりにしたダーガーの絵は、描き込み密度やタッチがめまぐるしく変化する線と、小学生が図工に用いる絵の具のような単純明快不透明な色と、複数そして1枚の絵の中に繰り返し繰り返し現れる同じモチーフやキャラ、それらで構成されていた。現物を見れば、ダーガーに対する感想も方向を得てすっきりまとまるものと予想していたが、しかしダーガーの絵は不安ばかりを与え、一層もやもやした。母子連れやカップルが絵の中の少女を指して「可愛い」と称するのを聞き、もやもやは一層酷くなった。彼の描いた少女は彼自身だけの為のもので、未来の他国の女子供に「可愛い」と言われる為のものでも、未来の他国の女がweb日記のネタにする為のものでもなかった筈なのに。“芸術”なる観点は、他人の生き様にしばしば冷酷な介入をする。

[動物] 萌え猫画像

これでも寝ています(ほんわかにっき)/ 「犬から生まれた『子猫』、憐れな最期!―江蘇省姜堰市」(レコードチャイナ)

「犬から生まれた」は勘違いで、偶々近くに居合わせた親のいない仔猫を引き取って育てているものと予測はしたが、その予測を元に「仔猫を引き取りに来て母犬と闘った猫」の正体を想像すると、とても憂鬱になる。<犬から生まれた仔猫の最期

[動物] 萌えアニマル画像

わしのメリナ、元気かい?(ノラちゃんのギリシャ!)

「『007』監督が、『あるいは裏切りという名の犬』をリメイク」(eiga.com)

当初はロバート・デ・ニーロ製作&出演でマーク・フォスター監督予定だったのが、年齢設定引き下げにより大幅修正。30代の男2人の間に重厚なドラマが生まれるか、まずは元を観て考える予定。→「あるいは裏切りという名の犬」公式サイト

「サーモン使用のノルウェー限定新メニュー マクドナルド」(世界びっくりニュース)

「高まる消費者のヘルシーフード志向」に応えて、やわらかいトルティーヤの皮でフレッシュ(新鮮?生?)な鮭の身を包んだ商品。日本でも食べてみたい気持ちとは別に、健康志向ならマックなんか食うなよと思った。

ウェブカドカワ/雑誌バックナンバー(ザ・スニーカー)

「ザ・スニーカー 19年7月号 増刊 The Ruby VOL.2」の表紙に「映画化決定!『タクミくんシリーズ』」の文字。ギイが井上和彦さんなら観に行ってしまうかもな自分に羞恥と恐怖。萌えプレより。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
y (2007-06-28 00:54)

うーん、ダーガーの項最後の一行、感じるところがありました…。そもそも展覧会のタイトル「少女たちの戦いの物語」ってうっかりすると二次元萌えの元祖みたいに思われないかと心配になる。

air (2007-06-28 01:46)

ダーガー展には関心があるんですが、残念ながらまだ行けてません。yさんもおっしゃっているように、私も最後の一行に感じるところがありました。

素光 (2007-06-30 01:08)

>yさん <br> <br>斎藤環が「戦闘美少女の精神分析」でダーガーを取り上げたものだから(というか私もそれでダーガーを知りました)、“二次元萌えの元祖”みたいに思ってる人は結構たくさんいるんじゃないでしょうか。 <br>でも萌えなんて、人によっては併せ持つというエロ要素を差っ引けば、文字が表す通りの健全な感情な訳で、ダーガーが自分の描く「戦ったり殺されたりしてる少女達」にそれを感じていたとは到底思えなかったです。私の中の“萌え”が浅すぎるだけかもしれませんけど。猫萌え!(←エロ要素は併せ持ってません)

素光 (2007-06-30 01:14)

>airさん <br> <br>原美術館のダーガー展は7/16までだそうなのでお早めにどうぞー。 <br> <br>あと最後の一行は、「芸術を理解さず安っちいセンチメンタリズムにズブズブ浸るしか脳のない人間(=私)が浅いこと言ってやがるZE!」、と鼻で笑い飛ばす勢いで読んで頂ければ幸いです。

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