2007-01-21 萌え猫/はてブより/「インファナル・アフェア」I・II・III [長年日記]

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そこに山があるからさ(気が付けばデブ猫)/凸と凹(猫式訓練所)

「裏社会サクセスストーリー! 『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』発売間近」

(前にも書いた気がするが)昔PSで最初に発売された版をプレイ、車をプールに突っ込んでばかりで萎えて止めたきりの「GTA」。最新作で再挑戦してみるか。→「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」日本公式サイト・カプコン ユーザーサポート情報「【お知らせ】「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」海外版と国内版の仕様変更について」

[VIDEO・DVD] インファナル・アフェア(主演:トニー・レオン/監督:アンドリュー・ラウ)

TSUTAYA online 作品紹介

マフィアに香港警察へと送り込まれたスパイのラウと、香港警察にマフィアへと送り込まれた潜入捜査官のヤン。10年もの長きに渡る潜伏活動の中、ラウは順調に出世し恋人とは結婚目前、一方のヤンは己の真の立場を見失いかけて精神を磨り減らし、女精神科医の元に通うカウンセリングだけを心の慰めとしていた。遂にある日、マフィア側が大掛かりな麻薬取引を企て、ヤンは取引の情報を逐一上司のウォン警部へと報告する。これが功を奏せば、マフィア達は一網打尽、ヤンは晴れて元の警察官の立場へと戻れる。しかし一方ラウは、マフィア達を捜査網から逃すべく、警察側の捜査状況をボスのサムへと流していた――。

マフィアに送り込まれた警察官と、警察に送り込まれたマフィア、更にはマフィアを追い詰めようとする警部と警察の裏をかいて富と権力を拡げようとするマフィア、それぞれ立場が似て非なる男達の背負った使命と交錯する人生。犯罪組織が深く関わっているが故に、少しの失敗が即文字通りの命取りとなる緊迫感が、猥雑さが情緒的な香港の街を背景に派手派手しくなく描かれており、淡々とした描写がかえって情に訴えかけてくる。また、二重生活で精神が疲弊し「短絡的な暴力性」と「屈託のない笑顔」を同時に併せ持つようになった壊れそうにアンバランスなヤン、相応の地位まで登り詰めるものの結局ヤンには一歩及ばない負けっぷりのラウ、人間味に溢れた表情の合間に非常なボスの顔を見せるサム、冷徹な仕事ぶりの合間にヤンを気遣う優しさを見せるウォン警部等、主要登場人物達は誰もがキャラ立っており誰もがカッコイイ(でも飛び抜けてヤンが好き)。男達の哀愁に満ちた生き様に胸を打たれる、素敵に男臭い作品だった。

[VIDEO・DVD] インファナル・アフェアII 無間序曲(主演:エリック・ツァン/監督:アンドリュー・ラウ)

TSUTAYA online 作品紹介

香港マフィアの大ボス・クワンが暗殺された。この機を逃さず独立を企む手下のボス達4人、支配体制を崩すまいとボス達の弱みを探るクワンの後継者ハウ。新参のボス・サムは、手下のラウを警察に潜伏させ、また香港警察のウォン警部は、クワンの血筋である事が判明して退学に処したヤンを、潜伏捜査官として彼の兄であるハウの元へと送り込む。ラウはサムの情報を元に警察内で手柄を立て出世、ヤンは兄ハウの信任を得て重用されるようになる。そしてハウは、暗殺された父の仇を討つべく、着々と準備を重ねていた。

「インファナル・アフェア」の前、全ての物事の始まりを描いた作品。因みに「2」と「3」の主役は私の自主判断で選んでおり、正しい情報ではないので悪しからず。ヤンとラウそれぞれが潜伏活動に従事した経緯の他、始めは気の良い男だったサムが抗争に巻き込まれ死線を潜り抜け多くを失った事で冷徹な支配者に変貌する様や、目的の為に手段を選ばない汚い刑事だったウォン警部が挫折を味わい同じく多くを失った事でどっしりと構えた追跡者に成長する様が説明されていて、これを観ながら「1」を思い返すとキャラに更なる魅力と深い説得力が加わる寸法。ヤンの若い頃の役者(ショーン・ユー)とラウの若い頃の役者(エディソン・チャン)が区別つかなくて苦労したけれども、「1」の魅力を更に増すこれまた素敵な作品だった。

[VIDEO・DVD] インファナル・アフェアIII 終極無間(主演:アンディ・ラウ/監督:アンドリュー・ラウ)

TSUTAYA online 作品紹介

ヤンの殉職後、彼の分も「善人」として生きるべく、自分の身の潔白を主張して警官の地位を維持したラウは、自分以外の潜入マフィアを始末せんと孤独な奮闘を重ねる。甲斐あって着々と“成果”を上げる彼の前に、保安部所属のエリート警官ヨンが現れ、ラウは彼もまた潜入マフィアと睨んでヨンの周辺を捜索し始めるが――。

「インファナル・アフェア」の後、残った登場人物達?の幕引きを描いた作品。「1」そして「2」と、他のキャラに比べればたいした信念も持たず好き勝手に突っ走って良い処取りだけしていた感のあるラウが、所詮は黒社会に染まりきった人間の癖してヤンの意志を継ごうだなんて無茶をした為に結局は重圧(とそして“ヤンの亡霊”)に押し潰されていく悲惨なストーリーで、ここにきて初めて「なんて可哀想なキャラなんだろう」と思えた。世間的には行きつ戻りつする時間軸が「わかりづらい」と不評なようだが、追い詰められて物事の判断さえつけにくくなっていたラウの精神状態とシンクロしていると考えれば、とてもわかりやすい演出であり、この3部作の締めとしてよく出来た作品だと私は思った。

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