家に帰るべく夜道を歩いていて、アスファルトの路面に何やら黒っぽい艶々したモノを見つけた。夏の都内の夜道にはゴキブリが多く出没する。その黒っぽい艶々したモノも、色合いと光沢具合が大変にゴキブリっぽく見えた。私は反射的に迂回しかけたのだが、脳内の冷静な部分が「いやアレは何処か微妙にゴキブリと異なっている」と主張するので、恐る恐るその黒っぽい艶々したモノへと近付いて屈み込んでみた。よくよく見れば、ゴキブリの油艶とは違うカマドウマ的光沢と、カマドウマを上回る肉付きの良さを備えた虫、それの正体はセミの幼虫であった。生きて動いている。
何年も土の中で耐え難きを耐え忍び難きを忍び、ようやく地上に出てきて殻を脱ぎ羽を得て短い夏を謳歌しようというセミが、土も木も近くにないアスファルトを這いずり回ってゴキブリと間違われ、ゴキブリと間違われなかったとしても恐らく今夜の内には人か車に踏み潰されて死のうとしている。なんて切なく、なんて儚い。言葉を飾らずに言えば、なんて頭悪い。さすがは昆虫。
さて、このまま見殺しにするのも気がひける。近場の樹のあるところまで連れて行く事にした。セミの幼虫は表面がつるつるで捕らえづらく、下手に力を込めると指先で潰れそうでヒヤヒヤしながらも、何とか手に載せた。奴の前脚には、土を掘る習性の為に硬い棘が生えており、奴が身動ぎする都度私の指にチクチクとぶっ刺さって痛いのだった。また夜闇の中で目を凝らすと、ゴキブリかカマドウマと見紛うて反射的に放り出しそうになるので、注視せずに微妙に目を逸らしながら慎重に捧げ持って公園まで歩いた。
公園に着いた。「アリのいる樹で羽化を始めたセミは、羽化途中でアリに襲われて悲惨な結果に終わる」という話を思い出したが、暗くてよく見えないので樹の幹をアリを歩いているかどうか確認できなかった。もう夜だしアリも巣に帰っただろうと勝手に決めて、最初に目に付いた手頃な樹の幹に放すと、セミの幼虫はえっちらおっちらと遅々たる歩みで登っていった。さようならセミの幼虫。万が一夜遊びのアリに目をつけられて絡まれて殺されたりしちゃってたらごめんねセミの幼虫。
おまけ:セミ猟とセミ料理(※グロ度はタイトルから推し量って下さい※)
★ 萌え猫画像 あつおとふじこ(宇宙は猫と猫以外のものでできている(8月5日付))・ちょっぴり猫団子?(Cat Life(8月10日付))(以上2件、そら猫(8月13日付)より)・そら猫(そら猫(8月13日付))・心と心が通わない(教官不定期日誌(8月13日付))
「サーフィンするネズミ」の絵を想像すると、「スチュアート・リトル」みたいで微笑ましい。しかしその先まで想像すると、「波に攫われて沖に運ばれて鳥か魚の餌食となるネズミ」の絵が頭に浮かんで、とても哀しい気分になる。
動物愛護家からは、サーフィンの前段階の「白波に巻き込まれても探しやすいように毛染めを施す」段階で動物虐待認定されるだろう。
★ 「おばあの美肌の秘訣はゴーヤーコスメにあり?」(→関連:ゴーヤー天国)
ローションやパックに特にこだわりはないのでそこには特に触れないが、沖縄では「子供にあせも・しっしん・虫さされができると、ゴーヤーの葉と茎を煮出したものと皮のすりおろしをたらいに入れてゴーヤー風呂を作ってあげる」「日焼けをした時にはゴーヤー水で顔や体を洗う」という話が面白かった。
食べるだけでなく肌にも良いとなれば、家庭園芸にもってこいだと思ったので、ゴーヤの栽培方法も紹介しているゴーヤ総合情報サイトにリンクしてみた。但し、私自身が早速栽培を始めたいと思っている訳ではない。私はどんな頑強な植物もみるみる枯らす、魔の指(いわゆる「緑の指」の正反対)の持ち主なので。
★ 「本広克行監督『踊る』の次は『うどん』」(→関連:サマータイムマシン・ブルース公式サイト)
来秋公開予定という「UDON(うどん)」は、「過疎の町が、素朴な食べ物によって急激に注目されるおかしさや、2軒のうどん店のライバル意識、競争の様子」を描くそうでなかなか面白そう。
それはそれで良いのだが、この作品の構想が「本広監督が大阪市で行った最新作『サマータイムマシン・ブルース』(9月3日公開)のPRで」明かされたと記事中に書いておきながら、記事タイトルを「『踊る』の次は『うどん』」とするのは酷すぎる。「踊る」の次は「サマータイムマシン・ブルース」ではないのか。理系零細サークルっぽいSF研究会の面々が繰り広げる「今日と昨日をひたすら往復する日常SF」は、予告編を観る限りとても面白そうなので、是非ともすっ飛ばさないで欲しいところ。
『[雑記]セミの恩返し』に期待。
助けてくれたお礼としてガチムチ兄貴に変身の上
寿命尽きるまでオッス連呼する覚悟に
ございますセミ。
>偽煙さん
仮に羽化に成功してたとしても、寿命を考えるともう今頃は死んでると思うんですよね。
>蝉男さん
通常のセミの状態で鳴いているだけで鬱陶しいのに、ガチムチ兄貴に変身してオッス連呼してたら近所から通報モノですね。
寿命を考えるともう今頃は死んでるんでしょうけど。