商品にならない体長50cm以下のタチウオを揚げて蒲焼のタレで味をつけ、おこわの上に大場をしきその上にのせた「おこわ水軍」(1人前250円)。
★ 「甘くて深〜い歴史にふれる、和菓子のギャラリー」(Excite Bit コネタ(11月14日付))(→関連:第64回 福よこい!「占い・厄除け・開運菓子」展/とらやより)
桐箱入りで5000円もする羊羹を売っているあのとらやだが、創業は室町時代というすさまじい歴史に驚いた。
どの鍋も美味しそうだが、自分に関係のありそうな鍋だけメモ。
流血女神伝外伝の3巻目。ザカリア流血女神の生き写しにも喩えられる美貌と、女神の加護を噂される剣の腕を誇り、本編の主人公(ヒロイン)カリエを護り導く、謎めいた女性ラクリゼの過去が完全に紐解かれている。守るものの為、あまりにも重く辛い犠牲を払って手に入れた「女神の力」だが、しかしその「犠牲」と「力」とが、ラクリゼとサルベーンの道を分かつ元となる。
読み終わってからぼーっとして感想を書かずにいたら、続刊がどんどん出てしまい、気がつけば4冊まとめて感想を書く羽目になった。なのでおぼろげな記憶を頼りに感想を書いているのだが、2人の別離の原因は、「犠牲」より「力」の比重が大きかったのではないかという印象。ただ憧憬するばかりだった最初とは違い、愛し護るべきものとなった時期を経て、その対象が再び人の力及ばぬ超越的存在となってしまうのは、人として愛する対象を失うと同時に神の愛を受けない自分を再認識させられるWショックだったのではないかと。もう一度読み直したら、全然違う内容が書かれてそうで怖いけど、まあそれはそれで。
流血女神伝、新シリーズ開幕。カリエの出産までが書かれている。今までの労苦をねぎらうかのように(或いは今後の辛苦に備えるかのように?)カリエの周辺は比較的平穏で幸せに満ちている様子だが、一方で彼女の故郷とも言うべきルトヴィアではひとひらの暗雲が垂れ込め始めていたり、また今シリーズのラスボス的存在が圧倒的な強さを垣間見せたり等、気を緩めさせない展開。出産シーンが出てきたのはこの巻で良かったっけかな? 少女小説レーベルで描かれる出産シーンはどんなものかと思いきや、ひたすら賑やかで良かった。「嵐の前の静けさ」という言葉がぴったりな巻だった。
流血女神伝、新シリーズ2巻目。女性の身にして祖国であったヨギナの総督を任されたが、産まれたばかりの我が子とも会えない日々に塞ぎこむカリエに、更に彼女と子供を狙うザカールの影が迫る。恐れていた事が対策も空しく遂に現実になってしまった訳だが、そこで打ちひしがれずに敢然と立ち向かうカリエとそれを助けるラクリゼ。彼女達の助っ人に、思いも寄らぬというか陰では期待していたというか、そういった面子が続々と集まる様に喝采した。また、強大な敵に勝ち目の薄い戦いを挑みに向かう場面に、抱腹絶倒のエピソードが雰囲気ぶち壊しにならずに挿入されているのは、重苦しく立ち込める暗雲から差し込む一筋の光明のようにも感じられた。
流血女神伝、新シリーズ3巻目にして完結。我が子アフレイムを取り戻す為に、危険を承知でザカールに向かったカリエだが、予想をはるかに上まわる責め苦に捕らえられる。コバルトファンタジーの伝統を受けて、今までも相当大変な目に遭わされ続けてきたカリエ&ラクリゼだが、今回の精神的&肉体的痛めつけられようは、「破妖の剣」(前田珠子)辺りを彷彿とさせる陰湿さ&執拗さ。一方、先に敵地に赴いた彼女達に協力する一団はというと、イーダルの派手な登場と華やかな演出・エドとサルベーンの傍目からは微笑ましい小競り合いが緊迫した空気を吹き飛ばす賑やかさであり、また追っ手と対峙する場面のサルべーンは久々?に面目躍如といったところ。そしていざザカールに乗り込んでからの怒涛の展開にはただ目を見張るばかりだった。
他にもいろいろ語りたい感想はあるが、物語に圧倒されすぎて上手く文章にまとめられないのと、ネタバレを避けられないので涙を飲んで自粛し敢えて淡々と。でもこれぐらいは書いて大丈夫かな?という範囲で、「神に焦がれ神の意志を探ろうと思い悩む者」「神の操り人形である自分を良しとする者」と、「人間は自分の見たいモノを神の道として見るようにできていると考える者」「神は人間に考える力と思い悩む心を与え、自分が与えた道から外れている事を望んでいると宣言する者」の対比が鮮やかだった事をメモしておく。そして何より、物語の行方に大変満足した事も。
今回でようなく大きな難所を切り抜けたカリエ達であるが、自分の意志で「爆弾」を抱えたままでいる他、今まででも触れられているルトヴィアの暗雲・今回示唆されたバルアンの豹変等を考えるに、今後はすっかりと平穏安泰な人生を送る……という訳にはいかなそうである。ザカリア流血女神以外の神が乗り出してくる暗示もあり、神と神の物語としても、むしろこれからが正念場となる気配。「流血女神伝」最後のシリーズとなるユリ・スカナ編は、長い休息期間?を経て来夏開始予定だそうである。派手に登場し華やかに活躍したものの最後に一団から追い出されたイーダルと、今後重要な役割を担うと推測されるミュカの活躍に期待しつつ待つ。