2004-10-19 秋鬱/ニュースいろいろ/「ショコラ」 [長年日記]

[雑記]秋鬱

宅配ピザを取ってご馳走してくれるという、友人からのせっかくの有り難いお申し出があったのに、折悪しく「得体の知れない不安に取り憑かれて悶々と悩んだ挙げ句に気が滅入る」発作を起こしてしまい、ピザどころか夕食をブッチして布団にこもって寝た。もう秋だね……。

[動物]萌え猫画像/萌えアニマル画像/環境省がクマ出没の原因調査へ&島根県警作クマ出没マップ「クマデス」&ツキノワグマ研究所がクマ射殺に慎重を要請&クマに襲われニワトリショック死

萌え猫画像 鉱物ロビくん(ネコニッキ(10月15日付))・ぼ・い・こ・っ・と。(にゃんぐら(10月19日付))・黒豆枝豆(とんぢる劇場(10月19日付))

クマ関連 「<クマ出没>環境省、原因解明のため調査へ」「この場所が『クマデス』、島根県警がクマ出没マップ」(→関連:クマデス島根県警察本部より)・「『クマの射殺、慎重に』 ツキノワグマ研究所の米田理事長が県に要請/広島」(→関連:NPO日本ツキノワグマ研究所)・「クマに襲われショック死 ニワトリ150羽 富山」High on Hope(10月19日付)より)

1件目、「ツキノワグマのいない北海道を除く都府県を対象」というくだりを読んで、そういえば北海道はヒグマだったっけ、と思いだした。ヒグマはツキノワグマより大きく凶暴だと聞くが、ヒグマの被害報告はないんだろうか。私の記憶の限りでは、今年特に記事を見かけたおぼえがない。

3件目、広島・島根・山口の西中国3県に生息するツキノワクマは僅か480頭と推測されているそうで、今年度18日までの「95頭捕獲・83頭除去」は随分と高い比率であると言える。ツキノワグマは絶滅を危惧されている種だと聞いていても、「山の中にうじゃうじゃいるクマのごく少数が人里に下りてきて悪さをして捕獲されている」図を何となく思い浮かべてしまっていた。こりゃ確かに、クマとヒトとの共存が叫ばれる訳だ、と思った。

4件目、クマが鶏小屋を襲い、実際に殺されたのは数羽だがショックで100羽以上が死んでしまった、との記事。臆病者をチキンと呼ぶのは知っていたが、死んでしまうほどだとは思わなかった。

[食べ物]189円激安ラーメン/神秘の野菜「まこも」/十勝豚丼を首都圏のコンビニで/安くて大きいロス産ウニ

「激安ラーメン戦国時代…189円店急増」sea of tranquility(10月18日付)より)

「515ラーメン大久保店」の「正油ラーメン」、「ラーメン一番」の「びっくりラーメン」、どちらも税込189円だそうである。私は美味しいラーメン・変わったラーメンに興味を惹かれる質で、味か独創性のどちらかを満たしているのであれば1000円近い代価を支払っても高いとは感じない。しかしその一方でこういった安値追求ラーメンが存在する事も、ラーメンという料理の幅が拡がって喜ばしいと思ったりする。

「低カロリー、高ミネラル…マコモの販路開拓を!−−四日市農芸高/三重」(→関連:神秘の食材「まこも」の商品開発三重県立四日市農芸高等学校より)

マコモ(真菰)は6千万−1億万年前から現在と同じ姿で存在したという「生きた化石」で、根の部分が食用となり、タケノコのような食感の淡泊な味で、各種ミネラルを豊富に含むそうである。

「十勝の味、首都席巻! 豚丼コンビニ発売」choiris(10月19日付)より)・豚丼検索デイリーポータルZ(10月19日付)より)

牛丼屋が「豚肉を使った牛丼味の丼」として編み出した「豚丼」ではなく、十勝名物の本家本元の「豚丼」の話題。販売するコンビニは、記事によれば「首都圏の主要JR駅でコンビニ『ニューデイズ』を展開する東日本キヨスク」との事だが、東日本キヨスク公式サイト及びニューデイズページを見たけれど、それらしい紹介ページを見つけられなかった。ニューデイズでのみの取扱いとなると、特定駅を通過する行き帰りにしか豚丼に巡り会えないという事になり残念。

「気軽にウニを!安くて大きいロス産隆盛」sea of tranquility(10月18日付)より)

250g3000円前後で国産上級品の半値以下、味はあっさり味の国産と比べてこってりしているそうである。しかし、問題は「水揚げ3日後に小売店の店頭に並ぶ鮮度」ではなくて、「板盛り」である。木の板に盛ったウニは、木の香りがついて風味が落ちる。田舎で売られている獲れたてのウニは、牛乳瓶のようなガラス瓶に入っており、これならば変な臭いがつかなくてとても美味しい。

[医療・健康]鳥インフルエンザ関連/ウコン摂取で肝障害/男性の3割肥満/喫煙者率3割切る/ウィスキーに糖尿病合併症抑制効果?/

「タイでトラ23頭死ぬ 鳥インフルエンザで」

鳥インフルエンザに感染した鶏の生肉を餌として与えられていたらしい。

「ウコン摂取で肝障害 肝硬変の60代女性、症状悪化し死亡」

肝機能を改善するとされるウコンの摂取で、逆に症状が悪化し死亡した例の報告。死亡までいかなかった例では、摂取をやめると症状が改善したとの事。ウコンが症状悪化の原因と見られてはいるが、具体的な因果関係ははっきりしていないようである。こういう健康食品を試す人は、恐らく「薬と違って副作用がない」と安心していると思われる。しかし実際のところは、健康食品であろうと注意して試さなければならないし、安全なクスリは何処にもない、という事だろう。

「ウイスキーが合併症抑制? 糖尿病で効果とサントリー」

オーク樽で熟成する過程で出る何らかの成分が、糖尿病の合併症を加速する物質アルドース還元酵素の働きを抑えるのではないか、との分析。私はウィスキーは苦手で、もったいなくない安い奴をコーラなり甘い炭酸水で割らないと飲めない有り様なので、無理して飲んだらかえって糖尿病になりそうである。

[その他]おふろで読める文庫本

「ぬれても破れず、くっつかず お風呂で読める文庫本開発」楠木坂コーヒーハウス(10月19日付)より)(→関連:風呂で読む文庫100選(有)フロンティアニセン

今時の流行らしい半身浴に適した、塩化ビニール製の本。私だったら、千一夜物語を読み通すか、或いは聖書をじっくりと読みたい。片手に本、残る片手にはよく冷えた軽めのアルコール。しかし残念ながら、のんびり浸かってくつろげる程のバスルームではないのだった。

[VIDEO・DVD]ショコラ(主演:ジュリエット・ビノシュ/監督:ラッセ・ハルストレム)

TSUTAYA online 作品紹介

頭の固い伯爵が治める古い小さな街に越してきた母子が、手作りのチョコレートで人々の心をとろかし虜にしていく物語。……と聞いて、ほんわかしたファンタジーを思い浮かべて借りた。実際、ほんわかしていない事はなかったのだが、チョコには期待していたほどの魔法的な効能はなく、人々もあっさりと母娘の味方につく訳でもなく、結構えげつないエピソードも幾つか挿入されていた。しかしその苦さもまたチョコレート?みたいな感じで、素敵なファンタジーである事には変わりなかった。以下、細々とした感想は箇条書きにて。

  • 戒律から外れたものの存在を許さない頑迷な伯爵は、初っ端から母子に敵対する立場のわかりやすい「悪役」だった。しかし彼は「悪人」ではなかった。むしろ、正しい人間であろうと努めている純真な人間であり、しかし視野が恐ろしく狭く自分の誤りを理解できず、また権力を握る立場である為に誰もそれを是正できないまま、彼は自分の世界を守る為に神父にまでも権力を行使していたのだった。彼のそういった子供じみた点は、終盤の劇的な和解シーンにはっきりと見て取れた。
  • もう1人の「悪役」である、酒場の主人は、彼もまた伯爵同様の視野の狭さに縛られているだけで根は悪くないように見受けられた。そんな彼には、伯爵の施す前時代的宗教教育による改心はおろか、母娘のチョコがもたらすわだかまり溶解の機会も与えられなかったのがつくづく哀れである。彼のような男をも救ってこそだと思うのだけどなあ、さすがにどうしようもないのかな。
  • 一方、この男の妻は大変良い役回りであった。最初は「薄汚れて恐ろしく不器用な中島みゆき似の変な女」といった印象だったが、母娘と接する内にどんどん快活になり積極的になり、そして綺麗になっていった。ある意味、母娘よりもこの話の主役を張っていたと言える。
  • 実の娘から敬遠され、偏屈に生きる老女のカッコ良さに痺れた。それだけに、彼女が伯爵の勢力争いの手駒に貶められたのは、後に回復の機会が与えられたと想像できる余地があっても、拭い去れない後味の悪さが残った。
  • 冒頭で少年が猟奇な絵をしこしこと描いている場面があり、「厳格な母親に干渉され過ぎて性格に歪みが出ちゃったんだね……」と思って観ていたら、単にその手の気持ち悪いモチーフが好きなだけで、ついでにその趣向は祖母からの隔世遺伝である事が判った。自分の紋切り型な解釈に苦笑。
  • ジョニー・デップはどの映画でもスレンダーで繊細で素敵なのだが、彼が演じていた流れ者の青年の役は、別にジョニー・デップである必要もなかったような気がした。つーか、あの青年の存在自体、なくても構わなかったように思えた。
  • ジョニー・デップの演じる男性の存在を「なくても構わなかった」と思える辺りからしても、私が主人公の母娘に感情移入していなかったのがわかる。好きになれないとかじゃなくて、感情を共有できない対象。人物ではなく小道具或いは舞台装置(私にとって)。

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