2004-09-01 匠味アボカド山葵/ニュースいろいろ/「ミステリア」 [長年日記]

[雑記]匠味アボカド山葵

匠味アボカド山葵仕事帰りに神楽坂をふらふらし飯田橋まで下ったところで、思いがけず緑モスを発見、念願の匠味バーガーにありつく事ができた。せっかくなので、匠味バーガーの中でも最新商品にして最高値の「匠味アボガド山葵』を注文。すりおろし山葵の柔らかい辛味により、肉とアボガドの濃厚な旨味をしつこさ抜きに堪能できる逸品だが、口当たりはさっぱりしていても胃の中に落ちれば相当こってりらしく、食べる途中で炭酸飲料を追加する羽目になった。物珍しさにつられてショコラモカ的な飲み物を最初に頼んでしまったのが敗因で、ハンバーガーにはやっぱりコーラ(等の炭酸飲料)がふさわしい、と改めて実感した。

最近食べたクアアイナの「アボガドバーガー」・ファーストキッチンの「ザ・ハンバーガー」と比較すると、やはりモスがいちばん美味しいというか私の口に馴染むと感じたが、それにしたってもモスに来る度に毎回注文する商品ではない。「モスってこんな美味しいものを提供できるんだね」と1度感心して、時折その感心を思い出す為に食べてみるというか。例えば自アンの慣用句「毎日、寿司を食う毎日です」は、発言者の懐の豊かさに加えて「寿司は毎日食べても飽きが来ない」からこそ成立するのであり、「毎日、ハンバーガーを食う毎日です」はジャンク好きで可哀想な感じなので改めて「毎日、ステーキを食う毎日です」と置き換えるとしても、やはりしっくりこない。

結論:回転寿司で良いから寿司が食べたい

[動物]萌え猫画像/鈴虫列車/昆虫の碑/豚の尻尾の秘密

萌え猫画像 完成間近(sugurimilk diary(9月1日付))・猫写真満載ページBlackAsh(9月1日付)より)

「トンと知らなかった…豚のしっぽの意外な秘密」sea of tranquility(8月31日付)より)

豚がしっぽを伸ばして後ろ脚の間に入れるのは「退屈・ストレス」のサインで、数日後に他の豚の尻尾を噛む恐れがあるとの記事。しかし「多くの養豚家は(事故防止の為?)豚の尻尾を切断している」とあるので、せっかくの発見にもあまり意味がないのかも知れない。

[食べ物]欧州ウナギが急減少/市公務員がサザエ&アワビを大量密漁/梨語り部募集/第2回「焼き鳥日本一フェスタ」

「欧州のウナギが急減少 日本の食卓直撃も懸念」

生息地の破壊や乱獲が原因と見られているそうである。日本では最近ようやく卵からの養殖に成功したそうだから、自分達も安泰かつ海外にもこれ以上迷惑がかからないように、早く軌道に乗って自給自足で賄えるようになって欲しい。

「大和高田市課長ら密漁 アワビなど200個以上も『違法知らなかった』」

公務員かつ年配の人間が、「日本国内に無尽蔵の海洋資源がある」と考えていたとしたら常識足らずだと思うがそこはあまり問題ではなく、サザエ239個(約4.5kg)+アワビ16個(約0.5kg)も獲るから目立って捕まったんだと思った。

[医療・健康]「痴呆」の代替用語案/シンガポール、「医療ツアー」で観光誘致

「<痴呆>用語代案に6候補 厚労省検討会」

候補は、1.認知症 2.認知障害 3.記憶症 4.記憶障害 5.もの忘れ症 6.アルツハイマー症 の6つ。私は個人的に、「イメージ改善の為に従来使用されていた語句を棄て、代わりに意味のずれた新しい語句を採用する」のは納得行かない事だと思っている。1及び3は日本語としておかしい気がするし、2や4や5は健忘症等の広範囲の「記憶に障害をもたらす症状」を含んでしまうし、6は逆に痴呆の一例である症状に痴呆の全てを集約してしまうし、どれも変だと思うのだけど、厚労省の検討会の人達はそうは思わなかったのだろう。ちなみに「痴呆」とは、大辞林によれば「一度獲得された知能が、後天的な大脳の器質的障害のため進行的に低下する状態」だそうである。

「病院の『医療ツアー』で観光誘致、シンガポール」sea of tranquility(8月31日付)より)

本国よりも安値で各種治療が受けられるのなら患者は喜んでやってくるだろうが、同行の家族に観光ツアーを手配するのはどうなんだろう。どんな手術にもそれなりの危険が伴うのに患者をよそに観光だとか、安く治療を受けに来て浮いたお金で観光だとか、その辺の感覚がちょっと理解しがたい。観光に、快癒した患者本人も繰り出すのなら「快癒祝」として理解できるのだけど。

[その他]Googleニュース日本版β/温泉世論調査/共感覚

「温泉『源泉に限る』46%、楽しみは『料理』 世論調査」sea of tranquility(8月31日付)より)

温泉に関する世論調査。温泉旅館に出掛ける際にいちばん楽しみにしている事は、20代が「雰囲気」、30−50代が「料理」、60代以上が「お風呂」だそうである。

「音の色、形の味、色の匂い−共感覚とは何か」(X51.ORG(9月1日付))

例えば「文字・言葉・音楽を見聞きすると特定の色をイメージする」といった「共感覚」は、従来遺伝による「特性」のようなものと思われていたが、近年の研究では脳の可塑性が原因である事が明らかになりつつあり、即ち人間誰もが経験しうる可能性がある、といった記事。ところでこの記事では「文字・言葉・音楽→色・イメージ」の例しか挙がっていないせいか、「ある刺激を受けた時、本来の感覚に他の感覚が伴って生ずる現象」(共感覚)と「経験により紐付けされた連想」(一般的感覚)の区別がつけづらく、記事コメント欄でも多くの人が混同している様子。

[読書]ミステリア(結城信孝編/祥伝社文庫)

出版社作品概要

女流作家ミステリアンソロジー。既刊は「緋迷宮」「蒼迷宮」等、「1文字の色名+迷宮」縛りのタイトルだったのだが、6冊目の今作でタイトルががらりと変わった。なお、古本屋で収集しているので、発売順に集めてもいないし自分が何作目を読んだのかすら把握できていない。この日記は中間にカテゴリ分けしていない期間があり、遡って調べるのが容易ではないのだった。

全10篇中、感想を幾つか。

「返しそびれて」(新津きよみ)
本を借りたまま返しそびれている間に、貸し主が死亡してしまった為に返せなくなってしまった本に対する「気詰まり」が、本の借り主に明かした2つの真実。「貸したモノはきちんと返してもらう」「借りたモノはきちんと返す」といったモラル的概念?が起こす波紋は、モラル通りに厳格に行動を起こせる人及びその辺りの感覚がルーズな人には判りづらいだろうな、と思った。つまり、モラルはあるけどきちんと行動できない人が世の大半なんだろう。又、事件の解明を経てラスト、主人公が自分の直面する問題に思いを至らせる場面では、「本」「30万円」と「或るモノ」を並列している辺りに、女性の無自覚なエゴが見られて面白く感じた。
「鮮やかなあの色を」(菅浩江)
ランチタイムに社内のOL達と交わす会話に疲労を感じ、周囲の世界がくすんで見える症状に悩まされている女性が、同様の症状だったという友人から鬱状態にあると指摘され、それを改善するという錠剤を分け与えられる。クリスマスシーズンを控えた冬の街や普段の会社が、物語の進行具合によって異なる彩度に描き分けられている様が大変印象的だった。しかし、「鬱気味→周囲の色がくすんで見える」「鬱快癒→物事が色鮮やかに映る」といったこの作品の設定には、発想としては大変ユニークなモノだと思う反面、実際の鬱の症状としては(少なくとも私個人は)違うので、違和感があるというか綺麗でわかりやすいモノとして書かれているのが受け容れがたいというか。「色が鮮やかなのはわかるけど、それから感動を得られない」のが離人感だと思っていた。フィクションとして多少弄って話を創ってあるのか、それともこの作品内の表現こそが「本当の鬱の人」の感じる離人感なんだろうか。
「想ひ出すなよ」(皆川博子)
書物に淫した少女と、転校生である彼女と常に仲良く遊ぶ少女達の、微妙な人間関係。主人公が語る主人公の嫌らしさが自分の中に見出せる類のモノだけに、嫌な気分になりつつ読んだ。自称他称問わず「本の虫」は、「人より優れた想像力や共感力を持つ、内向的だが心優しい人間」とされる事が多いが、実態はそうでもないと思う。この作品の主人公のように、「周囲の人物をまるで小説の登場人物のように分析し、自分と立場や特徴を比較して優劣を判断し、また作品で得た知識でまるで大人の仲間入りしたような高揚感を得ながら、実際には人並み以下の常識しか持ち合わせていない」、まるで私のような人間も私に限らず1タイプとして少なからず存在するのだろう。

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