映画を観に銀座に行ってきた。銀座に来るのもこれで3度目、当初感じていた気後れも少しずつ薄れてきて、道が広くて大きい建物が多くて気持ち良く歩ける場所だなあと思いながら、待ち合わせの時間潰しにその辺をウロウロしてみた。
行った映画館は銀座シネパトス、銀座という華やかな場所にあるにしては随分と場末な雰囲気漂う映画館だった。上映中に電車の音が響いてきたり、観客も、鑑賞中に包みをガサゴソ音を立てながらハンバーガーをパクついていたり、座席にくずおれて鼾をかきながら眠りこけていたり。以前行った、ハイソな雰囲気漂わす銀座テアトルシネマとは見事に対照的で面白いと思った。
今まで縮小していた個人ニュースサイトの巡回を、今月より再開してみる事にした。
★ 萌えアニマル画像 「ペンギン愛嬌 新居に満足げ/桐生」(森の十字路(6月1日付)より)・「カブトガニ相次ぐ 広島県竹原・大崎上島」
★ 「シマウマ逃走 麻酔吹き矢で捕獲 九州自動車道北熊本SA」
運転手がSAで休憩している時に、後部荷台から木枠を蹴破って逃げ出したそうである。運転中に同じ事をされていたら、他の車に影響が出る上にシマウマ自身も無事ではなかっただろうから、そうならなくて良かったというところか。
★ 「虫混入のおかゆを販売中止 ダスキン1万食を販売」(→関連:『涼風粥』販売中止のお知らせ/ミスタードーナツより)
具のベトナム産ホウレンソウに付着していた幼虫が、洗浄が不十分で残っていた可能性が高いとの事。ミスドは何故この手の失敗ばかり連発するのだろう。新製品をいろいろ投入したり、全品105円セールを定期的に行ったりと他のサービス面は悪くないだけに、どうも腑に落ちない。
★ 「アブラガニをタラバと販売 公取委、店に排除命令へ」(→関連:タラバガニとアブラガニの違い)
甲羅の下部にある星の数に、タラバは6個・アブラは4個という違いがあるそうである。またタラバガニのほうが市場価格が高いが、タラバガニのほうが美味しいというものでもないようである。だからと言って名前を誤魔化して良い話でもないけど。
代表選手には顔写真入りメンバーズカードが送られ、全国どこでも自由に食事できるとの事。友達にしてもらえばご相伴に預かれそうだけど、正直それほど素敵な特典という気もしない。間を置かずに食べると飽きると思う。
古酒の年数表示が厳格化されるとの事。
★ 環境ホルモン 「低濃度の環境ホルモン、哺乳類への影響確認できず」・「男性の不妊症が世界的に急増、環境ホルモンなどが原因か」
2件目、人間に限らず動物や魚でも雄の個体の持つ精子の数が減少、その原因が内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)にあるのではという推測が為されており、1件目の記事で得られる安心感を打ち消す形。
★ 歯科治療 「シリコンバレーのハイテク歯科事情」・「歯の再生や虫歯用ワクチン――近未来の歯科治療」
1件目、「アマルガムの詰め物以外なら何でも削れ痛みも音もなく局部麻酔なしで歯を削れる治療用レーザー」「ホワイトニング機能のある治療用レーザー」「X線の被爆線量を90%減らすデジタルX線」「デジタルスキャナーで歯の光の波長を測定し、義歯と本来の歯の色調を一致させる機械」等。日本にもこういったハイテク治療機器を揃えた歯医者は存在するんだろうか。2件目、更に進んで「歯肉しか残っていない部位に若い歯の細胞を移植して歯を生やす」「ドリルやレーザーの代わりにオゾンを使って虫歯を回復」「虫歯の予防と治療を行う詰め物」「乳幼児期に鼻から接種するだけで一生虫歯に悩まずに済むようになる虫歯用ワクチン」等。
★ 「謎のブヨブヨ消えた 有明海のゼリー状浮遊物 漁に影響、漁業者 『原因突き止めて』 自然発生、諫干影響説… 正体は不明のまま」
出現した謎の浮遊物の正体には「底生生物から放出された卵塊に海中の泥やプランクトンが付着したもの」と「諫早湾干拓事業で地盤固めに使用された生石灰に刺激された珪藻類が粘液を放出したもの」の2説が挙がっており、また突然の消滅には「水温が20℃を超えると消える」という条件が確認できているが、どちらも結局のところよくわからないままであるとの事。
★ 「まろやか緑茶風呂 箱根できょうオープン」(森の十字路(6月1日付)より)(→関連:<リニューアル第2弾>緑茶風呂オープン!/箱根小涌園ユネッサンより)
お茶の香りでリラックス。肌荒れ予防効果もあるそうである。
★ 映画関連 「環境省、米SF映画を異例の大宣伝…温暖化対策で便乗」・「上映中止の映画公開へ 映画『コンクリート』で制作委」(→関連:劇場公開にあたって/「コンクリート」公式サイトより)
1件目、記事の「環境省のなりふり構わぬ便乗策がどこまで奏功するか注目されている」という身も蓋もない締めに笑った。2件目、関連リンク先の映画製作者メッセージを読む限りでは、製作者側はネット上で巻き起こった上映反対運動が「あの事件を映画化するなんて不謹慎だ、けしからん」という理由で行われたものだと思っているようである。つまりは、その程度の情報収集力・理解力しかない人達の作った映画という事である。
100円ショップで売られているゲームのレビュー。そう言えば一昔前にはネット上にクソゲーレビューサイトが溢れていたな、とあまり関係ない事を思い出した。
裏切り者ユダに率いられた祭司達によって捕らえられてから、ゴルゴダの丘で十字架にかけられて死ぬまでの、イエス・キリストの最後の12時間を恐ろしく濃密に描きあげた作品。自アン+辺りで見た「信者専用映画」との前評判に、「多分信者ではないけど聖書は中学高校の6年間読んでたしー」と変な自信を持って観賞に臨んだが、期待以上に素晴らしい内容だった。
6年間聖書を読んでいたと胸を張ってもここ数年はページを開いてすらいないので忘れていたエピソードも幾つかあったし、聖書の淡々とした記述を読んで頭の中に思い浮かべていた光景とは映画の強烈な映像は比較にならないほどだった。イエスの鞭打ちは倒れた彼が引き出された後の石畳に人の型を残して血飛沫が飛び散っているほど過酷であり、イエスの頭に被せられる茨の冠は単に愚弄する為のアイテムではなく弱り果てた彼の頭部に突き刺さり新たな血を流し、もはや息も絶え絶えな彼が十字架を背負って歩く道は気も遠くなるばかりの苦難の道だった。聖書に触れた事のある人が自分の中の情報を補完するにはうってつけの作品だと思ったが、この凄惨極まりない映像をいたいけな子供も集まる教会学校等で上映するには問題があり、観る人・観せる人を選ぶのは確かだろう。
逆に、聖書の知識をあまり持たない人がこの映画を観るのはどうなんだろう、とちょっと思ったりした。キリスト教と無縁な人にとっては、「王を自称しちゃってるらしいイっちゃってる宗教者が、暴走する群集に煽られ何故か無抵抗のまま心身ともに嬲り者にされた末に死んで、よくわからないけど生き返った」という筋の、トンデモでカタルシスの少ない無駄にリアルな暴力映画に過ぎなそうである。また、この映画の中の祭司達やユダヤ人群集の残酷さが反ユダヤ感情をかきたてるという懸念があるらしいが、「人を裁くのは人ではなく神」であり「イエスは(イエスを十字架にかけた人々を含む)全ての人間の罪を引き受けた」のだから、聖書の知識をおさえて映画をちゃんと観ればユダヤバッシングに走る筈もないのだが、聖書をほとんど知らない人も観に来ている現状では懸念も当然という気がする。
ジム・カヴィーゼルは、苦難と絶望に耐えるイエスをしっかり演じていて良かったが、それ以上にイエスの母マリア役のマヤ・モルゲンステルンがはまっていて素晴らしかった。私が聖書を学んだ環境はプロテスタント系なので私にマリア信仰はないのだが、この映画のマリアには、突然の受胎告知(この映画には出てこない)から自分の産んだ息子が十字架で息を引き取るまでを見守り続けた強い精神性が感じられた。名前はわからないが、平和を維持する為に自分の目からは罪を見出せないイエスを死刑に処さなければならずに悩む、ピラト総督を演じていた人も良かった。