2002-06-26 おにぎり/サンドイッチ/「十二宮12幻想」 [長年日記]

[雑記]おにぎり

昨夜コンビニでおにぎりを買ったが、一口も食べずに残してしまった。今日はそれを昼食に持って行った。おにぎりだけでは足りないので、勤め先でまとめて注文している仕出し弁当の「おかずのみ」注文した。

お昼の時間になって、いつものように空いている応接室に入ってお弁当を広げる。おにぎりは納豆と唐マヨ。まずは納豆から。臭いと粘りに閉口する。家で食べる分には全然気にならないが、人前で上手に食べるのが難しい代物だと思う。口直しにお弁当のおかずをつまむ。何か得体の知れないおかずが入っている。どうやら「こんにゃくの辛子マヨネーズ和え」らしい。味と食感個々には悪くないんだけど、組み合わせると食べながら首を捻ってしまうような食べ物になる。口直しの口直しに唐マヨおにぎり。小さな唐揚げとマヨネーズが入ったおにぎりで、私は食べる度に天むすを連想する。

食べ終わった後でふと。今のおにぎりが糸を引いていた事を思い出す。しかも気のせいか味も悪くなっていたような……。 納豆おにぎりの「粘り気」と、こんにゃく辛子マヨネーズ和えの「違和感」に惑わされて、唐マヨおにぎり自体の「粘り気」と「違和感」を見逃してしまったらしい。考えてみたらこの梅雨時、マヨネーズやおかずが入ったおにぎりなんて半日持つわけもない。

気休めでも何でもいいやと思って、食後に正露丸を飲み下した。今のところ消化器系に異変は起きていない。

[ダメ料理]サンドイッチ

ご飯を炊くのがメンドくさいので、夕食はサンドイッチに。出来合いの物ばかり使って、ハムチーズサンドとハンバーグチーズサンドを作り、野菜の盛り合わせ(サラダと読んではいけない代物)も用意。3品中でチーズと胡瓜とマヨネーズがかぶりまくっている。1日30品目なんて、何処か遠い世界の話に違いない。

[読書]十二宮12幻想(津原泰水編/講談社文庫)

出版社作品概要

津原泰水監修のアンソロジー。単行本では3作の内の1巻目にあたるこの作品が、文庫では3巻目になっている。加筆修正等の関係だろうか。「十二星座それぞれに生まれた十二人の作家が、自分と同じ星座の女性を主人公にした一人称の作品を書く」という細やかな縛りが面白い。私は星座占いを信じ込んでいる訳ではないが、学術としての占星学には多少の興味がある。あまりに奥が深そうなので手を出していないけど。

全12篇を読み終わった。感想を幾つかピックアップ。

「ネメアの猫」(高瀬美恵)
恋人から貰った小粒ルビーの指輪を後輩達に馬鹿にされたOLは、その夜ルビー色の瞳をした仔猫を拾うが……。「虚栄心の強さ」「誕生石:ルビー」という約束事を踏まえ、その約束事を登場人物から読者に対して上手く解説させている。やや優等生過ぎるきらいがあったり、面白みに欠けるととらえる向きもあるかも知れないけれど、こういった丁寧さは私の好むところ。物語は、猫好きにはやり切れない話だった。特に私は赤い物も好きなので。
「ビデオレター」(我孫子武丸)
事件に巻き込まれて死んでしまった恋人から送られてきた、死の直前に撮影されたビデオレター。正直、この女性の「天秤座的性格」が私には読み取れない。強引に解釈すれば、「冷静を(無意識に)心掛ける」という点だろうか? うーむ。しかし話自体は天秤を連想させる「あやうい均衡」が良かった。私は基本的にテキスト至上主義であり、自分の日常を綴るにはビデオレターよりもメール&手紙を選択するが、対象が自分以外のものであれば描写に自信がないので映像を選ぶと思う。レオンだって、ちゃんとしたデジカメがあれば写真を載せたいところなのに、と脱線。
「あたしのお部屋にいらっしゃい」(飯田雪子)
誕生日である2月14日の1日だけ、別れた恋人と逢う約束をしていた女性。「個性を尊重する」水瓶座の主人公が好んでしつらえた、モノクロで統一されたインテリアのように、文章もまた水瓶座に似つかわしく淡々としている。ありがちと言えばありがちな話だけれど、「金魚のエピソード」がモノクロの色彩内に一点落とされた朱金のように、程好いアクセントとなっている。とても私好みの作品だったので、著者のHP「SNOWFLAKE」まで跳んで、作品案内を調べた。過去作品のほとんどが絶版とは(講談社ティーンズ文庫じゃ仕方ないけど……)。でもHPの読書感想リストと著者の今後の作品は、今後もチェックしていく予定。

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