2002-06-18 日本vsトルコ戦/線路沿いの風景/「マリア様が見てる」 [長年日記]

[雑記]W杯 日本vsトルコ戦

決勝トーナメント進出とはいえ火曜日の午後とあって、仕事そっちのけで観戦にはまる人はあまりいなかった。せいぜい例の青いTシャツを着て出勤したり、試合時間中にyahoo!ニュースの速報その他をチェックしたりする人がいる程度の穏やかさ。

試合結果は、「日本は1−0で勝つ」とのケンドー・ヤラセ田予想(6月16・18日付)が残念ながら外れる形となった。個人的にはサッカーに特別な興味がないし、日本が勝つと期待してなかったので仕方ないとしか思わないのだけど、応援していた大勢の人の肩を落としている姿が何だか切ない。オリンピックもそうだけど、4年に1回って長いよなー。

[雑記]線路沿いの風景

帰りにやや気分が悪くなったので、ドア付近にへばりついて窓ガラス向こうの景色を眺めながら帰る。

夕方から夜にかけて、電車からよその家の明かりを見ると、何故か物哀しさがこみ上げて胸が苦しくなる。古びたアパートの窓からこぼれる侘しげな明かりにも、豪奢なマンションが惜しみなく撒き散らす華やかな明かりにも、そして普通の家の平凡な明かりにも、絶望的な「相容れなさ」を感じる。私は家族の愛に飢えて育った覚えも何もなく、両親だって未だ健在だというのに、一体これはどういう事だろう。とても不思議。

ふと我に返って窓ガラスに映る自分に目を向けると、疲れてくたびれた上に呆けた表情をしていた。単に頭がおかしくなってるだけなのかと思い直す。

[読書]−マリア様が見てる−チェリーブロッサム(今野緒雪/集英社コバルト文庫)

出版社作品概要

シリーズ9巻。祐巳達は2年生に進学し、「薔薇のつぼみの妹」は「薔薇のつぼみ」へ、「薔薇のつぼみ」は「薔薇」へと成長を遂げて?いる。表紙は初登場の新入生・乃梨子。

「銀杏の中の桜」
カトリックのリリアン学園に通い始めながらも、実は「仏像マニア」の乃梨子。彼女は入学早々のある日、桜の木の下に「マリア様」の姿を見出す……。少女同士の清らかな信仰心・探究心・そして友情が描かれているようで、今まで読んだ「マリアさまシリーズ」の中で最も好きな物語。周囲から見ればたいした事のないことでも、本人は気付かずに思い悩むなんて、若い頃にはとりわけ良くある事で。それに対して思い切った荒療治を行えるのも、同じく若さの特権。
「BGN」
祐巳の視点から描かれた、「銀杏の中の桜」の舞台裏。お姉さまを失って落ち込んでいる様子の志摩子を気遣うものの、彼女が同級生である自分達以外に癒しを求めるのは淋しい、複雑な心境の祐巳。しかも新入生に自分の大事な姉を狙われてる恐れもあって、自分の身も守らなければならない忙しい状況である。この、志摩子に対する複雑な心境は、祐巳の女子高生らしい成長の一端として好ましいエピソードだった。しかし、祥子を狙われる状況というのは、恋愛モノで安易に描かれがちなので私が嫌いな「恋の鞘当て」に近く、従って個人的には不要としか思われないエピソードだった。瞳子には今後は登場して欲しくない……。

[読書]−マリア様が見てる−レイニー・ブルー(今野緒雪/集英社コバルト文庫)

出版社作品概要

シリーズ10巻。祐巳達2年生3人組に垂れ込める、三者三様の憂鬱を描いている。表紙は珍しく憂い顔の祐巳。これで現時点での最新刊にようやく追いついたが、7月に更なる新刊が出る予定らしい。頑張れ私。

「ロザリオの滴」
「マリア祭」にて全校生徒の前で絆を確かめ合ったものの、周囲に急かされるままに姉妹関係を結ぶ事に躊躇を覚える志摩子。相変わらず「控えめながら芯の強い」白薔薇姉妹、薔薇達の中では最も新しい絆ながら、最も安定していそうに見える。なのでその2人よりも、「カメラちゃん」事蔦子が自分自身を語っているのがより印象に残った。趣味に突っ走ったカメラおたくに見えながら、実はこのシリーズ作品の中で、最も大人なキャラじゃないんだろうか。
「黄薔薇注意報」
剣道部に入部したい由乃と、反対する令は冷戦に突入……。この2人の場合は本当に「痴話喧嘩」という感じで、呆れ半分微笑ましさ半分、でも安心して読んでいられるのも確か。由乃が、「ヴァレンティーヌの贈り物」(後)で出てきたライバル?のちさとと平穏な関係を築けそうなのは、個人的に嬉しい展開だった。不必要に敵を作るのは好きじゃないので。
「レイニーブルー」
約束の「半日デート」を曖昧な理由で延々すっぽかされ続ける祐巳の苦悩。瞳子がからむせいで話がドロドロしているようなのがイヤ。何度も何度も書くが、著者の意図的なミスリードであって事実じゃなかろうが、「恋の鞘当て」系な展開は勘弁。祐巳と祥子2人の信頼関係のステップとして、もっと落ち着いて読める話が良かった。しかもこれ、今巻では完結してないし。萎え。

[]