休日だからと気が緩んでついうっかり寝過ごしてしまったせいで、東京ミュウミュウを見逃してしまった。「レッド・データ・アニマルズのDNAと合体した美少女5人組が、地球の未来を守る為に力を合わせて戦う」という題目のトチ狂ったアニメだと聞いて、観るのをとても楽しみにしていたのに……。萎え。かなり本気で萎え。
公衆の面前でわざわざ他人に手をあげるなら、それは相手の為を思っての「愛の鞭」であるか、相手が自分の大切な何かを大切にしなかった事への「抗議」「復讐」であって欲しい。どこにも愛が向けられていないのは辛い。批評批判と誹謗中傷の隔たりは、そこにあると思う。
日本ファンタジーノベル大賞第3回最終候補作。NHKでのドラマ化もされたらしく、読む前から題名におぼえがあったのも肯ける。恩田陸の作品を読むのはこれが初めてではなく、実は2作目である。また、この第3回でファンタジーノベル大賞を受賞した「バルタザールの遍歴」(佐藤亜紀)は、随分前に入手したものの頭がついていかなくてまだ読んでいない。
解かれないまま残される謎があまりにも多く、描かれる恐怖は後半の一場面をのぞいて子供騙しのレベルで(登場人物達のほとんどが高校生なのだから当たり前であるが)、ミステリとしてもホラーとしても弱い。しかし、「進学校に通う高校3年生達の1年」が、私が今まで読んだどの作品にもなかったくらいにノスタルジックかつ鮮やかに書かれていて、その感動だけで不足を補って余りあるような、魅力ある作品だった。人並み外れた個性の持ち主と認められた者以外には「4大に進学するか」「浪人するか」の2択しかない、でも鬱屈したようでいながら実はお祭り以外の何物でもなかったあの時代は、今でもひどく懐かしい。あの時に確実に道を踏み誤った事を思えば、未だに立ち直れていない事を思えば、私には苦い思い出でもあるけれど。