2002-04-08 好感と反感/古デパートの「夢」/「探偵倶楽部」 [長年日記]

[日記読み]好感と反感

ある人が表した同じ言葉や文章が、ある人には感動を呼び、ある人には反感を呼ぶ。馳氏の「精神に失調を起こす寸前になるまで自分を追い詰めて云々」のくだりは、私の場合「リーマンやOLにも寸前を通り越した人間がザラ、精神失調を作家の職業病みたいに言われたくない」となったのだけど、私が耳に入れた他の人の「好感」「共感」が、いつか私のそういった「反感」を捨てる助けになれば良いと思う。好きなものは多く・苦手なものは少ないに越した事はない、という単純な理由で。

上山達郎氏のレスに対する感想。「反応したいツボの部分が違う」というのは上手い言い方かも。誤読ではなく、読み手兼書き手の意志があるという事か。

[]古デパート

古びたデパートにいる。内装もエスカレータも何もかも古びている。
店内は無駄に広く、複雑に分岐・接続して迷路のような様相。
エレベータも狭く暗く古びている。が、中の個室に入ってびっくり、何故か公衆トイレ。
この公衆トイレ、エレベータと同様に各階からボタンで呼び出すのだけど、
個室の中に入ってボタンを押すと、中から開錠しない限りフロア固定となる仕掛けである。

古びたデパートの夢を良く見る。伊勢佐木町のユニーと松坂屋のイメージだろうか? もちろんこんなふざけたトイレではないのだけど。

[読書]探偵倶楽部(東野圭吾/祥伝社文庫)

出版社作品概要

「探偵倶楽部」は政財界のVIP飲みを会員とする調査機関……という事で、その手の人々が遭遇しそうな(そして遭遇した)事件とその鮮やかな解決を綴った短編集。

全5篇全部読み終わった。感想を幾つかピックアップ。

「罠の中」
不動産業を営む男が入浴中に心臓麻痺で死亡した。「殺害方法」と「犯人」はすぐ特定されたかと思われた事件の真相が、「探偵倶楽部」によって究明される。犯人、殺害方法、動機、どれもが半分見えて半分隠されている状態である。この中途半端なもやもやぶりが、真相究明後の後味の悪さと同じ味。

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