ICQでは昨日の内に表示されていたとの一部情報も伝わっているが、正確には今日が私の誕生日なのである。27歳おめ。昨年は無職状態で暗く迎えた誕生日だけど、今年はとりあえず職に就いた状態で迎える事ができた。今年は例の病院と職安とに世話にならないよう……って、全く同じ事を仕事始めの時にも書いたっけか。
仕事帰りにケーキを買って帰る事にした。本当は大奮発したいところだけど諸事情あって財布の中が心許なく、「あまり高値ではない美味しいケーキ」という選択基準で、モロゾフのレアチーズケーキを選択。ホワイトデーを明後日に控えているだけあって、どの売り場にも若い男性からやや年配の男性が点在していて不思議な光景だった。私はまた2日後に任意のケーキが食べられる……のかなあ?
妻に逃げられた男やもめで、でぶで大酒飲みで借金まみれ、 魔術探偵でありながらも魔術の腕は最低レベルのスラクサス。 彼の元に、ある「貴婦人」から「敵国の外交官に送った恋文を取り返して欲しい」 という依頼が入った。が、その調査に乗り出したスラクサスは、 国を揺るがす大きな事件にやがて巻き込まれる事になる……。
「世界幻想文学大賞受賞」作品との事であるが、この賞はタニス・リー(ゴルゴン)からケン・グリムウッド(リプレイ)まで幅広く受賞しているので、作品の傾向を掴むには役に立たない。素直に買って読んだ方が余程早いのである。
一言で言えばハードボイルド風ファンタジー。ハードボイルドにもいろいろあるが、私が好きなのは主人公が基本的にダメ人間であるパターンである。普段ダメな人間が、ここぞと言う時に踏ん張って己の美学を貫き通そうとする姿に惚れる。このスラクサス、でぶで金と酒にルーズで能力もなくて、でも「誰の為でもなくエルフの為に」魔法の赤布を取り戻そうと奮闘する姿がとてもカッコ良かった。人間とエルフとオルクの混血という複雑な出生のヒロイン?・マクリの、強さ&女らしさも魅力的。本国では続編刊行済との事なので、是非続けて翻訳されて欲しい。