鬱々な上に苛々。小さくて頑丈な木箱に自分が箱詰めされて、人通りの多い石畳の道を、衆人環視の中ガタゴト騒音を撒き散らしつつ台車で運搬されてるような気分に時折苛まれつつ1日を過ごした。
憂さ晴らしにブラブラ散歩して喫茶店でウダウダし、普段利用する駅と路線すら違う駅に出て煩雑な乗換をじっくり味わいつつ、途中駅で下車して本屋へ寄って一挙に6冊買い込んだりしながら帰った。
★ [読書]死の姉妹(グリーンバーグ他 編/扶桑社ミステリー)
女性ヴァンパイアを題材にした海外作品のアンソロジー。今日は7編を読んだ。その中から印象に残ったものをピックアップ。
- 「マードリン」(バーバラ・ハムリー)
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- 追い詰められ恐怖し絶望する女性吸血鬼。恋人を彼女に奪われた人間の女性の復讐によるものなのだけど、女性吸血鬼の恐慌がとても写実的に描写されてるだけに、その人間の女性が使った手段の呆気なさが附に落ちなかったり。
- 「夜の仲間たち」(デボラ・ウィーラー)
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- 吸血鬼ママとその子供達のホームコメディ。吸血シーンがないからこそのほのぼの感。日本では、サザエさん一家辺りが彼等のような吸血鬼一家なのかもと妄想してみる。だってほら、年取らないし。
- 「再会の夜」(ディーン・ウェズリー・スミス)
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- 老人とかつての恋人の純愛譚。愛しているからこその別れと再会が描かれていて、「冷静と情熱のあいだ」よりこちらの作品の方がずっと感動的だと個人的に思った。
- 「貴婦人」(タニス・リー)
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- 海上の吸血鬼。青い海と、薄紅から真紅へのグラデーションの対比が鮮烈に頭に浮かぶ。物語的というより詩的。