家以外のトイレを使った時、用が済んで手を洗い終わった後で、「もしかしてトイレの水を流し忘れたのでは?」との疑念にとらわれる時が時々ある。戻って確認すれば、強迫観念じみたただの妄想とわかるのだけど、入れ替わりに他の人が個室に入ってしまった場合には、その後しばらく疑念が晴れずに悶々とする。
今日の場合は会社のトイレだったので更に悪かった。私の後に入った同じフロアのあの人に、私が不潔だとの噂をバラ撒かれてしまうのでは? その噂は75日経っても消えないのでは? たかがトイレの事で激しく悶々。
★ 駅で、アラームがずっと鳴り続けてる1台の券売機に目が止まった。よく見れば、プリベイトカードが吐出口に刺さりっぱなしになっている。早くカードを抜かないと、いつまでもうるさい上に券売機が1台塞がったまま使えなくなってしまう。でも持ち主ではない私がそのカードを抜いたら、周囲の人達に残金目当てだと思われてしまうような気もする。ここでまた悶々。
まあいいや、仮に勘違いされたとしたってどうせ見知らぬ他人だし、と意を決してカードを抜き取るものの、その手つきはまるで壊れ物か汚れ物でも扱うかのような慎重さ。残金が残っていたら元の持ち主が取りに戻ってくるかもと思うが、自分では使った事がないカードだし穴の空き具合はわかりづらいし、確認できない。仕方なく、今度は駅員に変な疑いを持たれないよう、できるだけさりげない振りを装って、改札口横の窓口にいる駅員のところへ行った。
カードを読み取り機にかけた駅員は、訝しげな顔をして答えた。「残金はありませんよ」…………。自嘲。