2001-11-21 喫茶店探索・「冷静と情熱のあいだ−Rosso−」 [長年日記]

[雑記]

今日も仕事帰りに新しいオフィスの周辺を探索。今まで未体験の喫茶チェーン店を幾つか見つけたので、まずはその内の1店に入ってみた。メープルシロップの味のする珈琲と、生ハム&カマンベールチーズのサンドはとても美味しかったのだけど、空きっ腹に入れる類の食べ物ではなかったらしく、帰り道にとても具合が悪くなった。幸先悪し。

[読書]冷静と情熱のあいだ−Rosso−(江國香織/角川文庫)

優しく完璧な恋人と一緒に、
ミラノで穏やかな日々を送る女性アオイ。
しかし彼女は、学生時代の恋人順正との別れからずっと、
胸に空いた穴を抱えたまま……。

流行り物・江國香織著・「赤」、この3点から少々興味を持ったこの本。同じ職場で同じくこの作品に興味がある人を見つけたので、私が「赤」・相手が「青」を買って読み終わった後は交換する事にした。今日は自分で買った方の「赤」を読み終わったのだけど、映画が公開中という事もあって感想は背景色にて。

「読書と入浴」という趣味からは受け身で潔癖な・連ねられた1人称の短文からは知的で静的な、アオイの姿が鮮やかに浮かび上がり、江國香織は文才ある作家と感じた。しかしそのアオイに対しては何の共感もなかった。8年前の別れに重さは感じなかったし、その後8年を無為に過ごしたなら過去を忘れられないのは当然。やっと行動を起こしたと思ったら、過去に一瞬立ち返っただけ。反社会的な人物ではないので嫌悪や反発までは抱かないものの、それはつまり心を動かされなかったという事。相手の順正にも似たような雰囲気を感じるものの、そちらの評価は辻仁成著「Blu」を読んでからでも遅くないかも。