陰鬱で巨大なゴーメンガースト城。 伯爵から使用人までが偏執的なこの城に世継が誕生した。 菫色の瞳を持つその男児はタイタスと名付けられた。
読む本全て速攻読破してしまい空しさを噛み締めていた時期に、本屋の店頭で発見し600ページ超の厚さに加えて全3部作という兇悪さに惚れて買った本。しかし、まわりくどい比喩で修飾され幾ら読んでも物語内時間が進まない文章に気圧されて、最初の1ページで放置していた。読書の秋にこそ、こういう本に再挑戦する良い機会だと思った。
まだ全体の6分の1も読んでいないが、最初に読んだ時と違い文章の癖にそれほど抵抗は感じない。ゴーメンガースト城の「猫の間」には、伯爵夫人御寵愛の白猫達が「喉音がドアの向こうから海鳴りのように聞こえる」程わんさかいるそうで羨ましい。